パラレル

□マッサージ2
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今俺は、宍戸くんの学校前で、宍戸くんを待ち伏せしている最中だ。
なぜこんな状況になっているかと言うと。

「あ、宍戸くん。いらっしゃいませ」
一度マッサージしたあの日から、宍戸くんは月に二度程のペースで店に通ってきてくれていた。
俺はすっかり宍戸くんに惚れ込んでしまっていたから、それこそ毎日のように来てほしいんだけど、そう言うわけにもいかない。
「こんにちは」
照れたような笑みを浮かべて、宍戸くんが挨拶をしてくれる。
俺の頬が弛んだと同時に、もう一つの声が「こんにちはー」と挨拶してくる。
声の主は不機嫌そのものの慈郎だ。
慈郎は宍戸くんがここに来る度、必ず一緒にやってくる。
俺が宍戸くんに良からぬことをしないか、お目付け役のつもりでついて来ているんだと言われている。
お陰で、宍戸くんとはなかなか親密な仲に発展できない。
マッサージが終わってから、お茶を出してゆっくりと宍戸くんと話がしたいと思っても、慈郎がさっさと宍戸くんの腕を引っ張って拐ってしまう。
俺はいい加減限界にきていた。
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