大人になったら

□「一緒に暮らそう」
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「長太郎、起きろよ」
優しく体を揺すられる。
名前を呼んでくれる声が優しくて、それをもう少し聞いていたくて、俺はわざと起きないんだ。
宍戸さんがため息をついて、俺の髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。
宍戸さんは撫でたりするのがとっても上手だと思う。
実家で犬を飼っていたからだろうか。
俺の実家の猫の扱い方、触り方もとっても上手で、猫も宍戸さんにすごく懐いていた。
俺は中学・高校時代、まぁ、今もだけど、芥川先輩や跡部部長、宍戸さんの同期の先輩方に宍戸さんの犬ってずっと言われてた。
でも、宍戸さんにこうして可愛がってもらえるなら、犬になってもいいかも...って思う。
俺がそんなことを取り留めなく思い出してたら、しびれを切らした宍戸さんが俺にのしかかってきた。
こんなかわいいことされたら、もう我慢できるわけないじゃん。
俺は体をクルリと反転させて、宍戸さんを押し倒した。
「ちょっ!おまえ起きてたのかよ!」
「違いますよ〜。今起きたんです〜」
「うそつけ!」
「ししどさぁん、遊びましょ♪」
「は?ちょっ、待て!待てっ!」
焦る宍戸さんの唇を、自分の唇ですかさず塞ぐ。
宍戸さんの唇を開かせ、歯列をなぞり舌を絡める。
俺の体を押しのけようとしていた宍戸さんの抵抗が徐々に弱まってくる。
まんまと宍戸さんをベッドに引きずり込むことに成功した俺は、そのままシャツの中に手を入れて、脇腹をゆるゆるとさすりだした。
宍戸さんって意外と肌がきめ細かくてすべすべしているから、こうして触ってると気持ち良くってつい止まらなくなっちゃうんだよね。
ここまでしちゃったら、さすがに宍戸さんも抵抗するのをあきらめたようで、俺のさせたいようにさせてくれるし、自分からもちょっとだけど積極的になってくれる。
宍戸さんの方からキスをねだるように、俺の唇をぺろぺろと嘗めてくる。
もう、こういうところ、ほんっとかわいいんだから。
俺、もう止まらなくなっちゃう。
宍戸さんの唇に、まるで食べてしまうかの勢いでむしゃぶりつく。
宍戸さんは苦しそうに眉をひそめるけど、それでも決して抵抗したりはしない。
そんな宍戸さんの態度から、自分が彼に愛され、受け入れられているんだといつも嬉しく思うんだ。
キスをしながら、手はシャツのボタンを一つずつ外していく。
宍戸さんはきちんと服を着ているけど、俺は上半身裸のままだ。
宍戸さんは俺の素肌の上を滑らすように手で撫でている。
宍戸さんの指が時々乳首を掠め、それがもどかしい。
もっとしっかり弄ってほしいような、攻めである自分がそんな風にされるのが悔しいような。
なんとも言えない微妙な気持ちだ。
主導権を握られてはたまらない。
ただでさえ、何につけても負けっぱなしでかっこつかないのに、ベッドの中でもやられっぱなしなんて情けなさ過ぎる。
俺は宍戸さんをベッドに押し倒して、シャツを剥ぎ取った。
そして首筋に舌を這わせる。
「っ、」
「宍戸さん、すき」
「は、んぁ...おれ、も、、すき...」
首筋に隙間なくキスマークを残していく。
宍戸さんも俺の頭を抱き込み、耳を軽く甘噛みしてくる。
これは宍戸さんの癖みたいで、これをされると気持ち良すぎて腰がぞわぞわしてくる。
そして即座にイキそうになるから、ちょっと苦手。
気持ちいいから好きなんだけど、宍戸さんより先にイキたくない。
「宍戸さん、噛むの反則」
言葉に吐息が混じる。
「だって、ちょーた....」
宍戸さんの顔を覗き込むと、快感に瞳をトロンとさせ、頬が上気してすごく色っぽかった。
そんな顔見せられて我慢できるはずもなく、情けなくも俺は下半身に触れることなく達していた。
パンツは履いてたから、そこに全てを吐き出してしまい、下着の中は惨憺たることになっている。
「なに?」
俺が下半身をびくびくと痙攣させたことに気づいた宍戸さんは不思議そうに俺を見上げてきた。
自分の情けなさ過ぎる醜態に、俺が何も言えず口ごもっていると、俺を退かすようにして上半身を起き上がらせる。
そして俺の下半身の状態を察知し、上気した顔で、そこに手を伸ばしてきた。
パンツの中のぐちょぐちょになってしまったぺニスを優しく握ると、ゆっくりと上下に扱く。
達したばかりで敏感なそこは、途端にびくびくと脈を打ち、すぐさま固さを取り戻した。
宍戸さんはゆっくりとパンツを下ろして、ぐちゃぐちゃになったぺニスを取り出すと、ベッドヘッドにあったティッシュでそれを拭ってくれた。
丁寧に精液を拭き取ると、指で裏筋をつぅっとなぞったりして、俺を煽る。
「長太郎、いっちゃった」
どことなく幼さを感じさせる物言いに、俺のぺニスがぐんと大きくなった。
宍戸さんはびっくりしたように目を見張り、「すげぇ」と感心したように呟く。
そして、裏筋をなぞるのをやめると、そこに顔を近づけてきた。
俺はそんな宍戸さんの行動に、期待で思わずごくりと唾を飲み込んだ。
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