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□鳳長太郎のライバル2
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って、余計な話をしてる暇はない。
ここで時間を喰ったら、また鳳に邪魔される。
オレは宍戸先輩の手をグッと握ると、「ちょっと付き合ってください」と強引に連れ出した。
忍足先輩には「失礼します!」と忘れずに言い残して。

部室からだいぶ離れた所にやってきた。
宍戸先輩は途中で「おい、高瀬。どこ行くんだよ」と聞いてきたけど、オレは一切答えなかった。
裏庭に近いこの場所は、外灯もなくて周囲よりもより暗い。
「ごめんね、先輩」
オレは先に謝ってから、先輩を思い切り抱きしめた。
「ちょっ、なにすんだよ」
宍戸先輩の声が、焦りからか上ずっている。
オレは短くなった先輩の髪を撫でながら、その首筋に唇を当てた。
先輩が更に焦った声を出す。
「高瀬っ!くすぐったい!止めろって」
先輩の言いつけでもやめる気はない。
こんなチャンス、次はいつやってくるか分からないから。
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