短編棚M

バスケ混ざりません?
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「あっ、紅咲も混ざんね?」
「・・・はい? 何に」


ロビーに来た瞬間、ロビー中央で集まる
キセキ6人と火神君の姿が目に入った

火神君が気付いて私に声をかけたのが現在


「ゲーム」
「何の」
「バスケ」
「・・・男女差!!」


誘ってくれるのはありがたいけど! 君達! ねぇ!?

っつーか待って、あんたらの身長平均何ぼ!?
お前ら7人で平均187cmなんだよ、分かる!?


「まーまー! 紅咲っち、強いじゃないっスか」
「黄瀬君! 私の性別は!?」
「え、女性っスよね」
「正解!」


つかここで外れたら、私何者なんだ って話なんだけどね!
男とか言われたら自分疑うわ!

って今はどうでもいいんだわ!


「誰か私の身長知ってる人!」
「163cm・・と言ってませんでしたっけ?」
「黒子君正解! 正確には162.7cm!」


もう163cmでいいけどね!

女子バスプロの人は170越え当たり前なのっ
160cm台の人も居るけど! 190cmの人も居るの!

もっかい言うけど女子バスケプロの話ね!


「君達! 部活は!?」
「男子バスなのだよ」
「男子バスだよな」
「ですよね、緑間君青峰君! 私が言いたいこと分かる!?」


上手下手の前に体格差があんのよ、分かる!?

つか私だって君達みたいな大したバスケ人生は送ってないんだよ!
中学に女子バス入ったっきりだわ!


「まー、そーいうのはチーム作ってから調整しちゃえば〜?」
「そんな紫原君、君が一番身長でかいッ!」
「桜、とりあえず落ち着け」


手で肩を掴み、私の背中をトントンと叩く赤司君

やばい、この子ら話が通じない。

あのね? 私は? 君達みたいに?
逸材とか言われるほどの? 選手はしてないのね?


「敦、僕とチーム組まないか」
「赤ちんと? いいよ〜」
「桜、こっちのチーム入らないか」
「「「えっっ!?」」」


紫原君と赤司君、そんで私以外の全員が声を揃えた
え、何その全員一致の「えっ」


「僕と敦が居るだけで、大分違うと思うよ。 どうだ?」
「それはー、まぁ。 まぁ・・・」


・・・まぁ、火神君と黒子君のコンビは
ぶっちゃけ脅威だしなぁ・・

赤司君と紫原君なら止められるんだろーなぁ、
私はもう大体無理だけど。


「点入れる人が欲しいな。 大輝、来ないか」
「あー? 別にいーけど」
「何か着々とチーム決まってるぅぅう!?」
「黄瀬うるせぇ」


あ、つか今気付いたわ。
この面子が揃ってる時点で、私強制参加だったんだわ

・・・ロビー来るタイミング間違えた。

ふと後ろでエレベーターの降りる音がしたから、振り向く


「紅咲さん! すみませんっ こんにちは!
 あのっ、皆さん何の話を・・?」
「おー、桜井君。 バスケのチーム決めしてんの」


あ、うん バスケ? もう吹っ切れた。
やるからには勝つわ。 何とかして


「桜井、僕のチームに入らないか」
「僕ですか!?」
「本当に着々と決まるなぁ、」


苦笑い。 つーかこれでうちのチーム、5人揃っちゃったな

となるとー、敵さんチームが火神君、黒子君でしょ、
それから黄瀬君、緑間君・・・1人足りないなぁ、

PGとCか、 黒子君、それらしいポジションないもんねぇ


「あっ 桜ねーさん! 真ちゃんも居るじゃーん」


急な声にふと上を見上げる。
2階の塀から手を振ってる高尾君を見つけた

笑って手を振り返した


「皆さん集まって何やってんのー?」
「バスケのチーム決めやってんのー」
「いーなぁ、俺もやりたいんだけど 枠余ってない?」
「僕達のチームが空いてますよ、高尾君」


あ、黒子君が高尾君スカウトした。
あ、そうか 高尾君ホークアイ持ってなかったっけ

黒子君と高尾君、チーム別にすると黒子君圧倒的不利だもんな

・・・何それ怖い。 前回は高尾君が同じチームで、
助け舟出してくれたりしたけど。

黒子君の場所見つけられるか心配になってきた


「おっけー♪ 今から降りるし待っててー!」
「じゃぁ各々、準備に取り掛かろうか」
「あ、ボールは俺用意するっスよ!」
「私着替えてくるわ。 ついでにボード取ってくる」


結局チームは、赤司君、紫原君、私、青峰君、桜井君。
VS.火神君、黒子君、黄瀬君、緑間君、高尾君になった

やばい、勝てるだろうか。 意外と強敵すぎる


―――――


「桜っ!」
「っ、と ん!」


私の体を通り過ぎて、構えてた右手にボールが収まる
そのまま間髪入れずにシュート。

曲線を描いてゴールに入ったボールに、少し笑みが浮かんだ


「桜ー ナイッシュ」
「サンキュ、青峰君」


通り過ぎる際に片手でハイタッチ。
因みに今パスくれたのも青峰君

仲間には頼らないって言ってたけど、
何だかんだ皆とやる時だけはパス回してくれる。


「うっわ、相変わらずキレー・・・、
 ほんっと桜ねーさん、惚れ惚れするわー」
「簡単に点取られてるんじゃないのだよ 高尾!」


コートの中心くらいまで早足で戻る
相変わらず男子の体力凄いなぁ、って思うわ

もう息辛いもん、私 まだ動けるけど


「ところで紅咲っちー」
「んー? 何ー」
「随分セクシーな格好してるっスね」


え、 って思って服を見直す。
黒いタンクトップと黒いパンツなんだけど


「そう?」
「凄く肌見えるスもん」
「皆とバスケすると、絶対汗だくじゃん?」


もうやる前から分かってるし。
しかも息ぜーはーになることも分かってるし

一番動きやすい格好で、一番涼しい格好だし


「あ、黄瀬君 後ろ」
「後ろ? っぶ!?」


急にボール飛んできて、振り向いた黄瀬君の顔面にクリーンヒット

思わず笑っちゃって吹き出したけど、
跳ねて、飛んできたボールを腕に抱えた


「すみません、手が滑りました」
「っく、黒子っちぃぃい! 同じチームじゃないスか!」
「だからパス渡したじゃないですか」
「渡されたの顔面っスよ!?」


何とまぁデコボココンビ。
いいのか悪いのか・・まぁいっか


「どうする? このボール。 私が貰っていいのかな」
「え、ダメです。 返してください」
「紅ちーん そのまま突っ切っちゃってー」
「了解したー」


すぐそばで、えっ っていう2人の声がハモるのを聞いた。
1回ボールを地に着く。

そのあとすぐ後ろにボールを持って行って、
左後ろに居た赤司君に渡す


「赤司君頼んだー」
「言われなくても」


その後ポカンの黒子君と黄瀬君をほっといて、
ゴール付近まで走る。 赤司君から回ってくるパス、

そして前向いた瞬間、何か身長差


「行かせねぇっ ・・です」
「えっ、ちょ、待っ!? 火神君は無理ッ!」


急に右後ろに何か気配、
やばい 取られる。 慌ててボールを左に寄せた

元あったボールの場所には黒子君の右手


「あ、気付かれました」
「見て分かるよ!」
「あー、おみね君!」


ボールをバウンドさせて視界に入った青峰君にパス
急なパスにも関わらず、しっかり受け取ってくれたわ


「もう桜ちゃんかっこよくて好き! テツ君も勿論だけど!」
「呼んだ覚えねーのにさつきが居んだけどォ!?」
「私が呼んだー 審判と時間やってもらわなきゃ」


ボード横に居るさつきちゃんにピース。
さつきちゃんも気付いて、満面の笑顔でピース返してくれた


「っち 余計なことを・・! つーか黄瀬邪魔!」
「邪魔って何スか!? プレイヤーなんスけど!」


ボールを持つ青峰君の足を止めた黄瀬君のDF

ふと周りを見ると、火神君しか居ないことに気がついた
・・・はっと気付く。 ミスディレ強し!


「っ、青峰君! 後ろ!」
「後ろ!? テツか!」
「あ、何かまたバレました」
「見て分かるっつの!」


火神君が遠巻きにも関わらず即効で突っ込んでる

このまま青峰君は黄瀬君突破するかな、と思ってたら。
何かまだ人影。 が。


「・・なーんてな。 余所見厳禁なっ!」


青峰君の持ってるボールを高尾君が弾いた

え、あの、死角から飛び込んだってわけ!?
いや、そうじゃなくてボール!

見つけたそのボールが向かう先には緑間君

向かおうとしたら火神君に遮られた。
・・・くそ、体格差・・、


「礼くらいは言うのだよ、高尾 黒子」
「俺にはないんスね!?」
「あるわけないだろう」


パシッ と軽い音を立てて受け取るなりシュート
相変わらず遠目だな、と思っても普通に入るんだわ

ボードを見ると、37対32
やっべぇ、5点差 貢献できてるか不安だわ


「つーかどんだけ僅差なんだよ・・・、」
「すみませんすみません!」
「ちょっ、桜井君謝らなくていいから!」
「リードしてるのはこっちなんだ。 無論逃げ切るだろう?」


赤司君の言葉に頷く。 桜井君も小さく頷いてて
青峰君は舌打ちしてた。 ・・・ちょっと青峰君


「もっと離すつもりだっつの、なぁ 赤司」
「じゃぁそのつもりで行こうか。 な、桜」
「あー、はいはい! もう! 努力します!」
「紅ちんも赤ちんも頑張れ〜」


青峰君と赤司君が割りと本気だ。
最後まで食らいつけるか心配だったりして。 チームメイトに


「生憎俺らも負けたくないんスよねー」
「そーそーっ なー、真ちゃん」
「当たり前なのだよ」


・・・う・・わぁ・・、 今すっごい苦笑いした。
やっべぇ、こっから3分こそが本番かも。


「何度も言ってるけどー! 桜ちゃんに
 ファウル1回でもやったら退場だからねー!」
「わーってるよ!」
「まずできませんよ。 この人達の場合は特に」


苦笑いしてる最中。

めっちゃピリピリした空気に、
これほど逃げ出したいと思ったことはない。



(っはぁ・・・っは、つか・・れたぁ・・・)
(桜ねーさん、大丈夫ー? って、そんなワケないか)
(はぁ、は もー・・その、お前らとバスケやんのヤダ!)
(けどー、嫌いじゃないっしょ? ま、お疲れ様っす)

(紅咲さん ありがとう、ございました)
(黒子君お疲れー・・華麗なパス回しとドライブ、
 見せてくれてありがと、 やっぱ男子と試合堪えるわー・・・)
(こちらこそ、素敵なプレー見せてくださり
 ありがとうございます。 ゆっくり休んでくださいね)





 

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