短編棚M

ギャップ萌えって奴?
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くんくん、と足元に寄ってきたテツヤ2号の頭を撫でた
そして足首に擦り寄ってくる2号。


「わんちゃん可愛いー」
「わんちゃんって言う桜ちゃん可愛い・・・!」
「・・・そんな可愛い一面あったのがちょっと意外でした」


横長いソファに座って、左からさつきちゃん、私、黒子君の順
左腕がさつきちゃんの腕に絡まれてるけど気にしない。

因みに向かいには木吉君とリコちゃん

私の足首にだらん、と体を乗せた2号を
少しだけ持ち上げてみた。

足首に必死に掴まって、足をじたばたしてるの。
わんちゃん可愛い。


「桜さん、その姿写真に撮ってもいいかな・・!
 2号も桜さんも今すっごい可愛い・・・!」
「ご自由にどうぞー」


ケータイ構えたままで言われちゃ断れないわ
いや、断る気もなかったけど。

隣に座る木吉君がハハッ、と笑ってた


「桜は動物にも好かれやすいんだな」
「んー、そうなのかなー 仕事向かう最中に
 野良猫が擦り寄ってくることはあるよ」


逆に凄いですよ と言いながら、
ケータイ構えてパチパチ撮るリコちゃん。

まっさか、とだけ返して2号をソファの上まで
足首エレベーターで連れてきた

自然と右足はソファについていて、半体育座り。

黒子君と距離の近くなった2号に、
そっと黒子君は腕を伸ばして、2号の頭を撫でていた


「・・・和むわねー」
「和むなぁ」
「・・てかさつきちゃんがしず・・・か、」


ふと左腕を見ると、目を瞑って首がカクカクしてるさつきちゃん

・・・・あぁ、眠いのね。
ほぼ毎日、青峰君探しに駆り出されてるもんね

1人で小さく頷きながらオチつけて。

さつきちゃんのカクカク動く頭を、
空いてる右手で肩に寄せといた


「・・いちいち動作が綺麗ですね」
「何か黒子君、言葉に棘ない?」


少し顔覗くと「気のせいです」とフツーに顔逸らされた。


「犬のこと何ていうか、もう1回言ってください」
「・・・? わんちゃん」
「・・・あ、なるほど 黒子君、そういうことか」


うんうん、と向かいで頷くリコちゃん。

少し、いや 少しか?
現状理解できない私は、置いてけぼりを食らってるらしい


「桜さんって、ほら 凄く綺麗じゃない」
「お世辞詰まりすぎだよ、リコちゃん」
「お世辞じゃなくてっ」


ケータイ片手と握り拳の片手。
2号の背中をわしゃわしゃ撫でながら、リコちゃんを見ていた

にしても本当に2号、黒子君とソックリだなー
主に目が。 後はー、目とか。


「で! 桜さん、さっき『わんちゃん』って言ってたじゃないっ」
「言ってたなー 2号に対して」
「あぁ、うん 言ったよ」


で、それがどうしました。
何か私1人だけ、白黒状態なんだけど


「可愛いじゃない!」
「・・・わんちゃんが?」
「紅咲さん、それ本気でボケてるんですか?」
「え? わんちゃんが可愛いって話じゃ・・」


・・・あ、違うらしいですね はい!
じっと見つめる黒子君と、固まったリコちゃん見て分かった。

またも1人でオチつけて流すはめになった。
うーん、何なんだろう。


「だからさっ、桜さん 完璧なくらい綺麗なのに
 わんちゃんって言ってる辺り可愛いな って話ですよ!」
「え、わんちゃんって呼び方ダメ? ・・・わんこ?」
「・・・変わりませんよ 紅咲さん」


何か含みのある微笑みしてた黒子君が凄く気になった
後さっきから握り拳が降りないリコちゃんも。

あ、因みに木吉君はいつも通り!


「つまり、私はどう反応すればいい?」
「ちょいちょいわんちゃん発言やったらいいと思います」





(桜ー 因みに猫はどう言うんだ?)
(え、何それ愚問。 ニャン子でしょ)
(しっかりした桜さんの、ギャップ萌えと来たら・・・)
(猫と戯れてる紅咲さん想像したら、何だか可愛かったです)

(あ、そういや桜さん さっきの2号とのツーショット、
 待ち受けにしていいですか!?)
(お。 俺もその写真欲しいな)
(僕も欲しいです)
(ご自由にどーぞ ・・ん、わんちゃんも眠たいか。 よしよし)





 

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