短編棚M

過去拍手
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※赤司君入居直後、リコさん入居確定前のお話。

※夢主は高卒、赤司君は高校入学後、
 リコさん2年に成り立てくらいの話





ねぇ、パパ?

何だ?

1人暮らししようと思うの。

この後のパパの咆哮は、きっとパパを
知っている人なら反応の予測は容易いだろう。

そりゃぁもう店先なのに叫んで、思わず顔面パンチしたくらいだ。

更にはどうかしたんですか? と驚きの表情で慌てて声をかけた
若い店員が慌てて寄って来たことはまだ記憶に新しい。

更にパパは 私の案を防ごうと説得させるよう
関係ないその店員さんにまで縋り付いた。

無論もっかい頭叩いた。
何でこんな日に限ってハリセンを持っていないのか

店員さんは苦笑いで、1人暮らしするんですか? と私に聞いた。


「電車通学が少ししんどいの。 やりたいことも沢山あるし・・
 この辺りからなら学校近いから、少しでも時間ができるかなって」


その若い女の店員さんは ふむ、と呟いて顎に手を当てた。

向かいの席で そんなリコたん! と騒ぐパパは全力でスルーした
パパ、今店先なんだけど。


「お客様、時間があればこちらの・・・
 お嬢様を少しお借りしてもよろしいでしょうか?」
「!?」
「はい?」


今思えば、ある意味神の手が差し伸べられた瞬間だった。



―――――



連れてこられたのは、立派な1つのマンション。

手動の透けない扉から、透けた自動ドアと2枚になっていて
手動の扉を超えた時、自動ドアの先にあるロビーのようなとこから

電子音が1つ、響いた気がした。

そしてそのロビーの左のソファで、ゆったりと座る赤い髪の男の子


「あら、赤司君降りてたの」
「手持ち無沙汰でね。 ・・後ろの彼女は?」
「んー、新人さん?」


笑いながらそう答えた、若い店員さん・・・
名札には紅咲と書かれていた気がする。

その女性の言葉に、ソファに座っていた男の子は、そうか と一言、
ふっと笑いごゆっくり と付け足した。

そして手元の本に視線を落とした。


「紅咲さん・・でよろしいですか?」
「あれ、何で苗字知ってるの?」
「名札見たので」


あぁ、そっか と微笑み、そして
そういえば言ってなかったという表情の紅咲さん。

真っ直線先にあるエレベーターに向かいながら、
店員さん・・いえ、紅咲さんは口を開いた。


「紅咲桜。 高卒したばっかの社会人
 ここの住人で仮として管理権限与えられてる。 よろしくね」
「相田リコです、高校2年・・えっと管理人さん?」
「んー、似て非なる感じかなぁ」


それから紅咲さんは、エレベーターの中に乗り込み
私が乗ったのも確認すると2階へのボタンを押した。

どこ向かうんですか? と聞いたら、紅咲さんの部屋に行くらしい

その道すがら、紅咲さんは区切り区切り。
少しだけ話してくれた

大家さんと連絡を取っているのは大概紅咲さんで、
第一住人ということもあり、実質管理人みたいなものだと言う。

とはいえ彼女も普通に、住人として暮らしているので
管理人っぽいものでそうではないとか。

なるほど、分からん。

というかここに来て初めて気付いたけど、
住人さっきの赤司君という子と紅咲さんだけ?

口に出したら ごめん、言い忘れてた。 といい
更に付け足して当たり。 って返って来た

・・・・えええ?

・・・そういえば、さっきの赤司君
どっかで見たことがあるような。



―――――



二度目の、電子音。

潜った自動ドアの先のロビーで、
ソファに座る赤司君の横姿と紅咲さんの背中を見つけた。


「おー、リコちゃんだ。 こんにちは」
「どうも」
「こんちは。」


ソファの背もたれにもたれかかって、
顔が逆さになっている紅咲さん。

それを見て頭に血のぼるよ、って注意してる赤司君


「どーだった?」


逆さのまま、微笑みながら、私を見つめてこの言葉。
コクリと頷いて、私は少しだけソファの方に近づいた


「頑張って口説き落としました。
 これからよろしくお願いします」
「お、おめでと。 よかったね」
「? 口説き落とす? 誰をだ?」


本から視線外して疑問符いっぱいの赤司君。
そういやまだこの子の下の名前聞いてないな


「リコちゃんも大変だねぇ」
「全くもう心配性なんだから。」
「口説き落とすの大変だったでしょ?」
「だから口説き落とすって何の話をしているんだ」


そして。 赤司君が洛山の1年主将だと知り
思わず絶叫したのは、次の入居者が来た辺りの話だ。





(タンマ、リコちゃん。 今何しようとした?)
(え、塩を入れようと)
(待って、これ砂糖だし まず量が多すぎないかな。
 っていうかこの野菜、皮剥けてないよ?)
(あ、あれ? 剥いたはずなんだけど・・)

(・・・僕も手伝おうか?)
(座ってていいよ。 どうせ赤司君、料理したことないでしょ?)
(どうせとは何だ。 流石に基礎くらいは知ってるぞ。)
(料理覚えたいなら今度教えるから座ってて。 今私真剣だから)







リコさんが入居してくるお話。

リコさんが来るまでの3、4週間ほどは
住人は赤司君と夢主だけですので、割りと静かに暮らしています。


その話を書きたい気もしたけど、
その2人じゃちょっと静かすぎた感ががが

ということで諦めました。
何かネタさえ降ればやりたい気はする。


拍手ありがとうございました!
目標:拍手の更新頻度見直し


設置期間 10/11〜11/16


※苗字と名前変換を逆にして公開してましたすみません。
 修正行いました 12/18





 
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