短編棚M

過去拍手
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※緑間君入居前の、マンションでのお話。 5月頃。
 ただし緑間君未登場。





「新入居者?」
「あぁ、中学のチームメイトなんだが
 どうやら僕と同じ悩みらしくてね」
「あー、家から駅が遠くて 赤司君こっち来たもんね」


あ、コーヒー居る? と問いかけると
頼むと帰って来たから麻雀席から立ち上がった


「変わり者だが悪い奴ではない。 桜の方さえよければ、
 彼にここを紹介しようと思っているのだが」
「私は別に構わないよ? ふふ、にしても賑わってきたね」


コップを手渡すと、ありがとう と伝えて
赤司君はそのコップを受け取った。

私もカフェオレの入ったコップを持って、元々座っていた席に
座り直すと、コーヒーに口をつけながら私の方を見つめる赤司君


「・・嬉しそうだな」
「まあねー、ずっと1人だったから。 寧ろ歓迎しちゃう」
「そうか・・・ならいいんだ」
「?」


疑問符浮かんで、麻雀テーブルの上にコップを置く。

そういえばリコちゃんと今吉君は外出したなぁ
黒子君は用事があるって言ってどっか行った気がする。

日向君も走りに行ったな、
あ、もしかして今 私と赤司君以外居ない?


「いや、 少人数が好きなのかと思って。
 桜は高1からここで、ずっと1人暮らしだっただろう?」
「まぁねー できることなら同級生の友達も住んで欲しかったけど
 流石に高校生で1人暮らしはありえないってさ」


私が特殊なのかー、って思って
社会人になるまでは新入居者は諦めてたよ

苦笑いしながら、牌を引き出し 適当に13枚並べる。
誰か相手欲しいな。 赤司君って麻雀できたっけ


「まー、赤司君に声掛けた理由は本当に気まぐれだよね」
「む、」
「私がもう少しで社会人ってのもあったけど、 んー
 赤司君が年上じゃなかったってのと、高1前後に見えたからかな」


中央の牌の山から、1枚引いて1枚捨てる作業を繰り返す。

さっきの私の発言に疑問符を浮かべた赤司君に、

赤司君が年上男性だったら呼び止めてもいないよ
といえば、複雑そうに眉を寄せた


「それは身の心配の話?」
「そんなとこ」
「心外だな。 僕が相手でも心配するべきだが?」
「でも赤司君、何もしてないよ」


じ、と見つめれば 猫目のオッドアイもこちらを見た
赤司君は、少し口を噤んで 私の顔の前に手の平を見せた


「? ・・?」
「桜って何か目の能力でもあるのか?」
「何を。 赤司君じゃあるまいし」


見せられた手の平の手首を掴んで、再度赤司君を見れば
困ったように眉を寄せて私を見てきた。

私の目が何だって?


「あの、正直に言っていいか」
「うん? いいよ」
「桜に見つめられるの苦手なんだが」
「え、 何それどういう意味」


目がね、 目がね、 と繰り返す赤司君は
だんだん私から顔を背けていった。

謎行動だな、彼。

唐突に玄関が開いた電子音がロビーに届いて
赤司君の掴んでいた手を離して、顔を上げた


「帰ってきたでー」
「お帰りなさい」
「お、今吉君おかえりー」
「・・何や、まだそこにおったんか」


バラバラに置かれた牌を見て 今吉君は
桜は何やっとん? と聞いてきた。

1人麻雀と答えたら 何で!? と笑われてしまった。


「あ、でもできたんだよ 見て見て、チューレン」
「そら1人やしできるわ! 赤司って麻雀できんのやっけ?
 桜の相手してあげへんの?」
「やってるとこしか見ないから分からないな」
「教えたら教えたで赤司君、一番強くなりそうだからなー」


私の向かいに座り、適当に牌をひっくり返していく今吉君。

麻雀は運ゲーだろ? と言われ、
まぁそうなんだけど、と返した。


「2人麻雀でもしよる? 2から8の数牌除いて」
「そーしよっか。 完全に鳴きゲーだね」
「・・今の流れでは僕に麻雀教えるという話にならないのか?」
「とどのつまり赤司君は運も味方につけるということで
 ・・・まぁ、自力で覚えてって話でしょ」


用語はポンポン口に出すから、意味は理解してね
と付け足すと ぐりん、と顔がこっちに回ってきた。

赤司君、それはちょっとホラー


「今吉君、ドラ作る?」
「あー、迷うなぁ 作っとこか」
「はーい ・・ってか2、8思ったより多い」
「そら3種で4枚ずつあるからなぁ」


区分け作業が大変だった。
置きっぱなしの冷めかけたカフェオレに手を伸ばす


「僕は桜の隣で見るべきなのか?」
「ワシでもええやん 何で桜やねん。 ワシでもアガるで」
「桜の方がアガる頻度高いって聞いたから」
「あー、でも2人じゃ分かんないよ。 もう鳴きゲーだから」


そういえば新入居者来るらしいよ
赤司君の元チームメイトなんだって、さ。

と、カフェオレに口を付けながら唐突に言えば
何やとぉ!? と今吉君は麻雀卓を勢いよく叩いた。





(うわ、今吉君 牌がひっくり返ったよ)
(スマン、ちょい待ち、 ・・ちょい待ち?
 赤司の元チームメイトってアレしかおらんやん)
(キセキ達をアレ呼ばわりしないでくれ)
(ほらぁ! やっぱキセキやん! 次はどいつなん!?)

(SGの緑間真太郎だが)
(へー、SGなんだー どんな子?)
(頭はいいよ。 指を大事にしてる、と・・・おは朝信者?)
(へぇ。 ・・・・なんて?)







緑間君入居前の、少人数マンションのお話。

マンションと呼ぶにはまだまだ小さい。
そんなマンションで過ごす彼らのお話。

この話から2ヶ月以内に、怒涛の入居ラッシュが始まります。
やだ怖い。 業者さんもビックリの引越し回数!

私の中でも入居順が曖昧ですので、
後々の執筆に影響出たら修正入るかもです。




拍手ありがとうございました!
オンゲ熱が落ち着いてきて、ゲーム製作再開し始めました





 
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