短編棚

ヒッキーな幼馴染と俺の話
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「ほらね」


夕方、ストバス場のコートの上に立つ俺と真ちゃんを、
ベンチで見ていた桜は、突然短くそう言った。


「どしたの?」


コート中央辺りで振り向くと真ちゃんも同じ方を向いた。

え? と、とぼけたように短く笑う桜は、割と見ない表情だったり。
ベンチにもたれて腕を組んで、んーと唸りながら口を開いた


「いやね。 言葉にはしにくいから言わないんだけどね」
「そー言って、お前いっつもはぐらかすからなー」


桜の座るベンチまで歩いて置いてあるスポドリを手に取る。


「言えないこと?」
「そんなことはないけど、」


桜の視線は、未だコートの上でシュート練している真ちゃんで


「バスケしてる2人は綺麗だなって」
「・・・・」
「あれ、真ちゃん何で一瞬固まったの? え? 何照れた?」
「五月蝿い」


あははと笑いながら、でも、と繋げた桜に
真ちゃんも俺もそちらに視線が向く。


「実際は綺麗なんて言葉じゃ表せないけど」


微笑んだお前の方が綺麗だとか それこそ言えねぇわこれ





目を細めた彼女と俺ら





 
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