WT短編

□#ワートリプラスまとめ
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*烏丸京介

「これ似合うと思います」
アクセの陳列棚を見てると、偶然会った烏丸君が素敵なイヤリングを指した。
「うわ、綺麗。 センス良い」
「烏なんで光り物好きなんすよ」
「ふふっ」
名字もじったジョークに思わず吹き出してしまう。
「買おっかな」
「いいんすか」
「似合うらしいので」
#ワートリプラス



*隠岐孝二

「実家の猫が恋しいわぁ」
我が家の猫の動向を眺める彼が呟いた。
彼が手を伸ばしたらふい、と避けた飼い猫は、
のしのしと私の正座した脚に乗り上がる。
「あ、そりゃあかんわ。 おれの彼女なんです〜」
拗ねた物言いで膝の上で丸まる猫を撫でる。
猫に勝てない彼氏が可愛い。
#ワートリプラス



*三輪秀次

「お? 今日可愛いじゃん」
「おーい三輪見ろよ」
ちらりと編まれた髪に視線を向けられた。
素っ気無い「あぁ」という相槌に、
さらなる感想を催促する彼らは私の片想いを知っている。
……寝癖を隠すために彼が編んでくれたことは、
堅く口止めされたので当人達の秘密である。
#ワートリプラス



*ヒュース

「誰だあいつは、恋人か?」
「違う違う、あれはただの友達」
「それは言い訳の典型的パターンだと」
「は!? 誰そんなん言ったの!? 死んでもあいつとはない!!」
必死に誤解を解こうとする様に眉を寄せる。
曰く、男の嫉妬は醜いらしい。
「……その言葉信じるからな」
「?」
#wtプラス
あいつ以外も、ないものであってほしいが。



「『はぐ』ってなんだ」
「えっと、抱擁とか抱きしめ合うとかの意味で」
ハグを要求したが通じず、説明には真面目に相槌を打たれて謎に居心地が悪い。
「……あ、ならキスも分からなかったりす、」
顔を上げると視界が陰り、語尾が吸われる。
「それは知ってる」
「〜っ、なんで!?」
#wtプラス



*来馬辰也

「ううう、ごめんなさい……自虐が止まらなくて……」
タメ連中の飲み会、酒を入れたら普段抑えてた感情が駄々漏れ。
「不思議と惹かれる魅力に、寸分違わない素敵な人だと思うよ」
「来馬君……」
「あ、ごめんね、お酒入った状態だと説得力ないかな……」
「うぅ神様仏様来馬様〜……」
#wtプラス



*二宮匡貴

前歩いてるの二宮だなぁ、と見ていたら彼が不意に立ち止まった。
「おや捨て猫」
追い付いた私に彼は一瞥投げ「あぁ」と一言、視線を猫へ戻す。
……情移されやすいのかなぁ。
このまま放置も寝覚めが悪いか。
「仕方ないな、うち来る?」
「……何が要る?」
「え? あぁ、律儀ね?」
#wtプラス



*樫尾由多嘉

「チョコ平気?」
「普通に食べます」
よかったと笑う先輩は、紙袋から包装を1つオレに差し出した。
後ろ姿を見送ると続け様に背後から「お、カシオ」と声。
「バレンタイン貰った?」
「配布品ですが」
「オレもさっき貰った! 先輩のクッキー美味いし食うの楽しみ」
「(……おや?)」
#wtプラス





 
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