WT短編

□#ワートリプラスまとめ
33ページ/39ページ




諏訪洸太郎




「諏訪さんゲームをしよう。 先に役満あがれた方が相手に1つお願いできる」
「お、やってやらぁ」
牌混ぜの間に案外あっさり取り付けられた。
「すわさーん、お願いの内容聞かなくて大丈夫?」
「ちょっ小佐野ちゃ」
「え、俺何頼まれんの?」
「内緒!」
#ワートリプラス
交際対象として検討して。



「おめでとうございます」
「おーありがとよ」
「お祝いの品をお持ちしました」
「その紙袋か?」
「お察しの通り」
「でかいな」
「今年は趣向を変えてセクシーに」
「ぶッふ! は、はぁ!?」
「透明麻雀牌です」
「……あぁ……セクシーだな……」
「すけすけだぜ。 感想教えてください」
#wtプラス



「ずわざん」
「うおっどうした」
「この世の全てが私の敵に思えてきて……もう諏訪さんしか……」
「しれっと凄いこと言うなァお前」
座る諏訪さんの首に腕を巻き付け、ぶえええと呻く。
彼は座ったまま、片腕を私の背中に。
「おれよしよし、なんか飯でも食いに行くか?」
「いぎまず」
#wtプラス



帰り道を歩いてるとクラクションが鳴った。
振り返れば見覚えのある車、しかも減速、運転席には馴染みの顔。
「乗り込んでしまった」
「すげー見たことある姿だと思ってよ。 帰りだよな」
「うん、家まで」
「お送りしますぜお嬢」
「あはは、私をヤバいとこの娘にしないでほしいわぁ」
#wtプラス



「諏訪の弟子になる」
机に突っ伏しての弟子宣言、彼は溜息か煙草か分からん息を吐き出した。
「負けてばっか! 強くなりたい!」
「別にいいけどよ。 ちゃんと習いてーんなら他の奴」
「諏訪が強いと思ってるので諏訪がいいです」
「そりゃどうも」
「絶対強くなるからな……麻雀……」
#wtプラス



「お前あんま男の家出入りすんなよ。 危ねーぞ」
そいつはきょとんとした顔をすると一拍空けて「諏訪んちも?」と口にした。
他意はなさそうな確認。
にも関わらず、言葉を詰まらせる。
「……あー、くそダセェ」
肯定も否定も、咄嗟に反応できなかった時点で全部バレたようなもん。
#wtプラス



「賭けしたの覚えてますか?」
「早々役満は出ねぇなぁ……出したか?」
「牌譜です」
「マジか!!」
「それで、賭けのお願いですが、」
待てよ、恋愛対象として見てほしいなんて言っても、子供扱いされて終わりでは?
「……あ、後3年恋人作らないでください!!」
咥えてた煙草が落ちた。
#wtプラス





 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ