短編棚M

気分変えて百人一首!
1ページ/1ページ






「えー、 天つ風、雲の通い路、吹きと」
「ホークアイなめんな・・っよ!!」


パンッと札を跳ね除けたのは聞いて分かるように高尾君。

皆さんこんばんは、紅咲です。

現在私達は黒子君がおばあちゃんから譲り受けた
百人一首を一部の住人が集まり、大会絶賛開催中です。

とはいうものの、頭良い組と文系組と、
楽しそうだから混ざる組と分かれているわけですが。


「大体何なのだよ! 赤司のその枚数は!!」
「開始読み上げた札は15枚、征ちゃんの取った枚数10枚・・」
「ハンデをものともしない赤司君・・・チートだわ」
「マジエンペラーアイチート。」


初っ端から早々、赤司君無双です。

参加者は赤司君、緑間君、今吉君。
そしてリコちゃん、黒子君、玲央ちゃん、高尾君。

因みに読み手はこの私、紅咲桜でお送りしています。


「紅咲さん、もう1つ赤司君にハンデつけるべきです」
「む。」
「せやなぁ、あまりにも不公平すぎるわー」
「まぁそうね・・あまりに赤司君が無双すぎるし・・・」


因みに今赤司君についているハンデ。

最初の5文字が読み上げられるまで札を見てはいけない。
札を見るまでは三角座り。 両腕は後ろ。

それでも3分の2取っていっちゃってるんだよね、この子


「それだったらこの後、50枚取れないじゃないか」
「征ちゃん、この人数で30枚取ったら多すぎるくらいよ」
「全くなのだよ。」


不満タラタラの赤司君以外を見て、仕方ないなぁと苦笑い。
さっき高尾君言ってたけど、本当にエンペラーアイはチート


「じゃぁ赤司君は、1枚札を取ったら次の札は休み。
 取っていない場合は次も参加可。 どう?」
「!? 待て桜。 それはつまり、取ればお手つきじゃないか」
「いーんじゃね? それでも赤司、20枚掻っ攫えそうだし」
「!!? 和成まで何を言っている!」


私は賛成よ、というリコちゃんの言葉に
ワシもや、私も、俺も、僕もです、と順に賛成の言葉。


「・・・っく、だが桜。 皆もだ。
 僕だけハンデつけすぎではないか? 不公平だよ。」
「・・赤司君。 多数決という言葉を知ってるかしら」
「大人しく受け入れてください、赤司君
 既にその枚数取っていて、不公平だとかどの口が言います」


無駄に饒舌な気がする黒子君に、
赤司君は観念したかのように体育座りの体制に戻した。

因みに体育座りはハンデのあれね。


「そのハンデは今から採用か? 次から採用かいな?」
「次か」
「今からにしよっか」
「・・ことごとく桜が、僕の話を否定するんだけど」


じっと私を睨んでくる視線を感じつつ、
苦笑しながら次の札を手に取る。


「えー、じゃ読み上げるよー」
「OK!」
「次こそ取るわ・・・」


前のめりになるリコちゃん見て、少し笑って咳払い。


「夜を込めて、鳥のそら」
「はいっ・・・ !?」
「・・・・その手を離してもらおうか」
「・・イ、ヤ」


舌をべ、と出して赤司君と札を取り合うリコちゃん。
手は重ならず、本当にどっちが先に取ったのか分からない状態

ぐぐぐ、と睨み合う2人の手で踏まれて行き場のない札。

お手上げ気味に高尾君が私に視線を投げる


「桜ねーさん、この場合どーすんのー?」
「カントクと赤司君がバチバチに火花散らしてますが」
「レディファーストという言葉をご存知かな、赤司君」
「僕だって取ればお手つきという謎ハンデがついているんだが」


肩をあげて苦笑いしたら、どうにかするのだよ
とでも言いたげな表情の緑間君。


「ま、妥当にジャンケンじゃないかしら?」
「・・エンペラーアイ禁止よ」
「・・・いいだろう」
「「最初はぐー! じゃんけんほい!」」


・・・両手両膝をついたのは、
ぶっちゃけ予想通りリコちゃんだった。


「赤司君勝ったし、今回はお休みね。
 リコちゃん、気ー取り直してこ」
「・・・そうね、今回は赤司君が居ないものね・・」
「そーはいかんでぇ、ワシもおるしな」
「今吉君 全力で目を見開くのやめて、怖い」



―――――



「はーい、お疲れ 枚数数えてー」
「エンペラーアイマジチートだわー 俺は6枚っすねー
 んー、札覚えてないとこんなもんなんかなー」
「私は9枚だったわ。 行動可能時は征ちゃん、
 完全に無双だったわね・・」


皆が各々数えていく間に高尾君と玲央ちゃんの枚数発表。
2人とも仕事が早いね


「ワシは11枚やな」
「・・僕は10枚でした。 ほとんど句覚えていたので
 もう少し行けると思ったんですけど・・甘くないですね」
「まー見つけるのに時間が掛かっちゃったのもあるね。
 あれ、でも案外取ってるんじゃない?」


赤司君の勢いの割りには。 って付け足したら
そうかもしれません。 と返って来た。

・・・うん、今回は相手が悪かったね

今度は赤司君抜きでやろうね。


「24、25、26・・・・」
「15枚なのだよ」
「17枚だったわ 割りと取れたのかな?」
「30、31、 32枚だ」


パサ、と最後の1枚をカーペットの上に放り投げた赤司君。
・・・・ぶっち切りすぎて怖い 何この子


「ほっとんどリコさんの倍じゃねーか」
「皆、今度は赤司君抜きでやろうね」
「!? 仲間外れはよくないぞ、桜」
「賛成です。 赤司君は読み手でもやっててください」


黒子君からそう言われ、体育座りで顔をうつぶせている赤司君。
・・・まぁそうヘコまないでって・・・


「で、1位には何やっけ?」
「桜ちゃんにお願い1つできる権利でしょ?」
「そんな話もしていたな。 覚えてなかったが」
「緑間君興味なさそーだもんねー」


因みに真ちゃんが1位だったら桜ねーさんに何お願いしたの?

って高尾君に聞かれた緑間君が、
真面目な顔で悩み始めたから何を言い出すのかと思えば

あんみつパフェを作ってもらうのだよ

と真顔で返した。 無論高尾君はツボにハマった。


「桜に1つお願いか・・・そういえば考えてなかったな」
「赤司君のことだから1位になる前提で
 それ考えてるのかと思いました。」
「正直途中からハンデで頭いっぱいだったよ」


苦笑いでうーん、と胡坐に座りなおす赤司君。

ふと思い浮かんだように顔を上げて、私に手招きをする赤司君。
あれ、座り直してまでどうした


「・・・桜、ちょっと」
「うん?」
「ちょっと」
「うん」


手招きされるがまま近づいたら、曲げた足と足の間のカーペットを
赤司君がポンポンと叩いてるから あぁ、とか察してしまった


「写真撮って冷やかしてやろ」
「和成、カメラ機能準備するのはやめろ」
「征ちゃんが何をしたいのかは私も察したわ」


両手をカーペットについて座ったら
まぁ予想通り赤司君の腕がですね。 首にね。


「・・・もっと凭れてもいいんだが」
「やだよ、人並みに体重あるもん。 あ、黒子君そこの本取って」


数分して黒子君から、
どうやら赤司君はご満悦のようです

・・・と、寝てしまった赤司君を見ながら言った。





(いーなー 赤司いーなー その位置代わりやがれ!)
(・・・やばい、寝そう)
(紅咲さんはよく眠気つられていますね)
(何でだろうねぇ・・・寝ちゃっても大丈夫かなー)

(問題ないんちゃう? 桃井辺りがうるさそーやけど)
(ところで・・これってお願いなんでしょうか?)
(もしかしたら桜ちゃんを、
 「今日1日独り占めする」ってお願いなのかもしれないわ)
(実渕さん天才ですか? ・・あ、紅咲さん寝ちゃいました)



―――――

アンケよりカルタネタ。 とか言いつつ
早速カルタ⇒百人一首に変更しております。

果たしてこれでよかったのだろうか。

赤司君はあんなに無茶なハンデをつけても、
1人ぶっち切りで勝ちそうで怖いですガクガクブルブル





 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ