segreto
□03
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かちゃっと音をたてて私が座るテーブルの前に紅茶が置かれる。
その紅茶はおいしそうな綺麗なオレンジ色をしている。紅茶の横にはおいしそうなクッキーが食べていいよといっているように聞こえる。
私は先ほど使ったバラの香りのするシャンプーに眉を寄せた。
ボンゴレの基地(らしい)ところにきて、まず最初にイケメンさんがメイドさんをよんだ。
さすが豪邸、メイドさんは何人もいて、いろいろしてくれるお世話係さんだ。
そのメイドさんに連れられ大きなお風呂、というか温泉ほどの広さのお風呂に連れて行かれた。
ここでまず、さっぱりしてからリビングに来てほしいとメイドさんがイケメンさんから伝言を受けたらしい。
私は素直にそれに従ってメイドさんに手伝ってもらいドレスを脱いでお風呂に入った。
さすがにお風呂は一人で入りたくてメイドさんの手伝いを断った。
そこで知ったのが、お風呂の鏡に映る自分の姿を改めてみて、驚きを隠せない。すごく美女だし、スタイルも抜群だ。
そんなことを思いながら、バラの香りのするシャンプーで頭を洗って、体も洗ってお風呂をでた。
すると新しく服が用意されており、その服に腕を通した。多分だけど、この服もシャンプーもこの時代の私が使っていたものだと思う。
ただの女の勘だが。紺色のキャミソールのワンピースにカーディガンを羽織る。
そのあとでメイドさんがきれいに髪を乾かしてくれて、化粧もしてくれた。
この時代の私はこんなことまでされていたのだろうか。
10年という月は自分の趣味も変わるほど長い月なのだろうか。私にはわからない。
少なくとも、今の私は、こんなバラのシャンプーは好きじゃない。
身の支度が済んで、メイドさんについていき広い豪邸の中を歩いた。
赤いじゅうたんにおおきなシャンデリア。何階まであるのかわからないが、とてつもなく大きいというのは確か。
いつの間にかリビングについていたらしく大きな扉を開けてもらうと、そこにはすでに何名かがそろっていた。
優雅そうにコーヒーを飲む、もみあげさん
不機嫌そうに座っている雲雀恭弥の二人だ。
入りたくなかったがリビングと呼ばれる大きな部屋に入って、案内された席に座り、紅茶を持ってきてもらって今につながる。
しーんとした空気が無駄に広い部屋に広がっていた。
「・・・本人だとは言っても中身が違えば雰囲気が違うんだな」
ふと私をいつの間にか見つめていたもみあげさんがそういう
「・・・そんなに中身が違うんですか?」
「正反対といったほうがいいぐらいだぞ」
「・・・そうなんだ・・・」
やっぱり10年という月は思った以上に長いらしい。
自分の性格を180°変わるほど。
紅茶を半分ぐらい飲んだとき、大きな扉が音を立てて開いた。
するとイケメンさんを先頭に後ろには何名かの顔も知らない人とさっき見た人たちがリビングに入ってくる。
「ずいぶんと遅かったね、僕は気が長くないんだ。早くしてよ」
そういって明らかにイライラした雲雀恭弥がイケメンさんに睨みながらそういった。
するとそれにむかついたのかシルバーさんが雲雀恭弥に睨み返す。
「しかたねえだろうが!それぐらい我慢しやがれ!」
「まぁまぁ獄寺、落ち着けって!雲雀も頑張ったじゃねえか!」
そういって爽やかに笑う青年。
「まぁまぁ、獄寺落ち着けって」
ついさっき聞いたような山本武の言葉を思い出す。
何か似たような光景だな〜と思いながらふと思う。
「・・・獄寺?」
今爽やか青年は獄寺と言わなかったか。
私の勘違いでなければそう聞こえたような気がする。
「んだよ」
そういって不機嫌そうにシルバーさんは私の方を向いた
「・・獄寺くん、あんたが?」
「だからそうだっつってんだろうが」
「・・・・えぇえええええ?!」
「でけえ声をだすんじゃねえ!!」
いや、あんたも負けてねえよ、じゃなくて
雲雀恭弥につづいて獄寺くんも?!ってことはまさか・・・
そう思いながら爽やか青年を見つめる
「なぁああ?!山本くんんんん?!!!」
「おう!久しぶり・・というか、この時代じゃ初めましてだな!」
そういってあははっと笑う爽やか青年は100%山本君だ。
「な、何でここに・・?!
ま、まさか、皆なんとかバズーカーにあたっちゃったの?」
「んなわけあるか、俺らはもともとこの時代の人間だっての」
「ど、どうして皆そろってイタリアに・・・?」
旅行でもしに来たのか?いや、彼らはもとからここに住んでいる。
しかもこの豪邸に。なぜだかわからないが、10年後の私は彼らとは関係が深いようだ。
「あれ?ちょっとまてよ?」
あのシルバー君が獄寺君というのなら、彼が10代目と呼ぶ人物はただ一人・・・・
ばっと顔を上げる。
視界には茶色でふわふわとした髪がうつった。少し目線が高くなって見上げなきゃいけないが。
彼は間違いない・・
「・・・沢田君・・・」
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