segreto

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「ん?」






真っ赤なじゅうたんがひかれている廊下に見覚えのないものが落ちていた。
その真っ黒の物を手に取る






「手紙・・・・?」






その真っ黒な手紙に顔を傾げた。



今日はボンゴレの皆さんはお休みらしく、それぞれのお部屋で時間をすごしていた。
昨日は、沢田君にローザを探す協力をしてくれると聞いたあとは、普通に解散になった。

あの赤い髪の中村さんはいったん、私の研究室に戻ると言って昨日いってしまった。
本当はたくさん聞きたいことがあったのだが、また別の機会に聞くことになった。何かあったのか、彼は電話がかかってきたとたんに焦ったようにいってしまったのだ。

まぁ彼にも何かあるのだろうということで、その場は終わったのだが・・。
そもそも、探すと言っても何からしていいのやら、わからず、うーんと頭を悩ませていたところだった。


朝ごはんを食べた後で、資料室にでもいって何か調べようとリビングをでたところだった。
何か、黒い紙のようなものが落ちており、それを手に取ったというわけだった。


今時、こんな時代に手紙とは珍しいなと思う。
今はほとんどパソコンや携帯電話だから、手紙というものに懐かしさを感じた。だがそれもほんの少しだけ。
手紙というものは白いものや、かわいらしいものだというイメージがある。

一般人の私でもわかる。黒い手紙というのは、あまりいい内容の手紙ではない。






「誰かが落としたのかな・・・」





ふと宛先を見るために、黒い封筒を裏返してみる。そこには白い字である人の名前が記されていた。







「ローザ・・・」







見たくないような字に眉を寄せた。
これはこの時代の私宛におくられた手紙だ。にしても、自分の家があるのになぜボンゴレに届くのだろうと頭を傾げる。

そもそも、なぜ医療関係の研究者の私がマフィアとかかわっているのだろうか。
そんな原点さえわかっていない私にローザを見つけることなんてできるのだろうか。







「・・私宛だし・・・いいよね」






自分を納得させるように階段の陰に隠れて中身が破れない様に黒い封筒をあける。
何か悪い事をしてるように思えて、どきんどきんっと心臓が高鳴っている。

黒い封筒に手を入れると、白いUSBが手のひらに落ちてきた。






「・・・これは・・・」







何かのデーターだ。






またどくんっと胸が鳴った。
こんな真っ黒な手紙で私に送られてくるということは、明らかにいいことではない。
彼女は研究者といっていたからそのデーターだろうか。








「・・・・」






彼女を見つけるためだ・・・。仕方ないよね。





また本日2度目に自分を言い聞かせて、パソコンがあったであろう資料室に向かうために、足を進めた。











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