OP 短編―U―

□となり
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「もしかして、怒っていらっしゃる?」

「見て分かんねーのか?あ?」

「滅相もない!もう十分なほど分かります!はい、ごめんなさい!」

ぺこぺこ頭を下げている私は一体なんだろうか。

ゾロの怒りに負けてしまったんだな、うん。




「で?ゾロは、なぜここに?」

おおう、眉間の皺が深くなりましたよ、この人。

「すっ転んで、頭打って、気絶したテメェを運んでやった俺に言う台詞か?!」

ああ、そういえば、足を滑らせたような気がするなぁ。

あの青空はその時に見たのか。




「特殊能力が開花したと思ったんだけどな。残念、残念」




「そんな都合のいいもんが、お前みてェなヤツに開花するわけねーだろ」

「はは…。もう少し歯に衣着せて欲しいんですけど」

「俺の歯に服着せてどうすんだ」

「あー、ゾロさん。それは真剣に言っているのですかね」

「冗談に決まってんだろうが」




よかった、冗談だったのか。

冗談が冗談に聞こえなかったのは、秘密にしておこう。

言ったら殺されるかもしれないし。




痛む後頭部をさすると、でっかいコブが確認できた。

これ、マジで大丈夫なんだろうか。

脳挫傷とか脳内出血とかしてはいないのか。




「チョッパーはだだの脳震盪だって言ってたぞ」

「ゾロってエスパー?!」

「特殊能力から離れろ!」

「はい。ごめんなさい」




思わず勢いで謝ってしまったけれど。

いきなり思っていたことを言い当てられたら、そりゃー驚くっての。

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