朝だというのにスリザリンの寮は暗い。
理由は至極簡単で、寮が地下にあるからである。
そんな辛気臭い雰囲気に似つかわしくない明るい声がとある一室にこだました。


「やぁ、セブルスおっはよー!いい朝だねぇ。」


「……っ!な、な、な、何でっっ、き、貴様がここにいる、ポッター!?!?」


セブルス・スネイプが目を覚ますと、グリフィンドールのネクタイをした眼鏡の少年、もといジェームズ・ポッターがベッドの脇に立ち、彼を見下ろしていた。


「あれ、君知らないの?『寝起きドッキリ』だよ!マグルの間で流行ってるんだけど。」


「知るかぁ!!!」


物凄い剣幕のセブルスに対してジェームズは実に楽しそうである。


「へぇ〜、セブルスってそんなパジャマで寝てるんだ。案外可愛い趣味してるじゃん。」


「っ……///!」


運悪く、その日セブルスが着ていたのは家から送られて来たクマさん柄のパジャマだった。
こんなもの誰が着るか、と意気込んでいたのだが、替えの寝間着がなくなってしまった為、やむなくそれを着ていたのだ。
こんなことになるんだったら制服のまま寝れば良かった、と切に思ったが後悔先に立たず……。


「こ、これは、僕が選んだんじゃない!母親が勝手に送って来たんだ……!」


「ふーん。君、まだママにパジャマを選んでもらってるんだ?」


墓穴を掘り、ますます顔を赤くするセブルスを意地悪くジェームズは見据える。


「ねぇ、ところでさ、覚えてるかい、セブルス?」


「何をだ……?」


ポケットから取り出したスニッチを手の上でもてあそびつつ、ジェームズはげんなりしているセブルスにニヤッと笑う。






「君、寝言で僕のこと呼んでたよ」
















「う、嘘だぁぁぁ!!!」






今日も騒がしい一日が始まります。



FIN


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