長編小説 〜Prominenceシリーズ〜完結
□Embraceable You
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「しっかし、ヘンだよな〜、なんで突然ウチに来るなんて言い出したんだろ。
今まで全く興味無さげで、逆に裏あるかもとか思ってたのに。」
クラピカは軽く目を瞑って、挽きたてのコーヒーの香りを楽しんだ後、満足そうに一口啜った。
このヒトは最近コーヒーのブレンドにもはまっている。
「そうだな。何か理由があるんだろうな。」
イルミが来るなんてどんな理由なんだか、俺は一抹の不安を禁じ得なかった。
ノックの音がし、キルアがドアを開けようと席を立つと、イルミがそれを待たずに家へ入って来た。
「やぁ、キル。久しぶり。」
そしてクラピカに顔を向けて言った。
「君も、元気そうだね。」
キルアは警戒感たっぷりにイルミを見上げた。
「で、何の用なの?」
「…随分性急だなぁ。
今日はお客様をお連れしたんだよ。」
「客?」
申し合わせた様にドアの陰から現れたのは…。
「やぁ。久しぶり。」
「ヒソカ!?」
キルアもクラピカも驚いて眼を丸くした。
「な、なんでヒソカがウチに来るんだよ!」
「冷たいねぇ。
傷ついちゃうなぁ、ボク。
GIでは同じ同じチームで頑張ったじゃないか。
それに、ちゃんと用はあるよ。」
そう言って、ヒソカはドアの外に手招きをした。