長編小説 〜Prominenceシリーズ〜完結

□Embraceable You
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「!!」

ドアから全身黒づくめの男が入って来た。
キルアもクラピカも瞬時に身構えた。

クロロ・ルシルフル。
幻影旅団の団長。

「なんで貴様がここに居る…。」

クラピカから微かに怒りのオーラを感じる。
念を使っちゃダメだ。
キルアはクラピカに無言で制止の手を挙げた。

「キル、大丈夫。
彼等は何もしないよ。
さっきも言っただろう?
彼等は今日はゾル家のお客様なんだよ。」

「どういう意味だよ。」

キルアは警戒を解かず眼だけをイルミに向けた。
イルミは勝手に椅子に腰掛けると言った。

「ヒソカからどうしても君達に会いたいって頼まれてね。
守秘義務含めて相当なお金を払って貰ってるんだよ。
誰にも絶対に手を出さない事と、ここで見聞きした事は一切他言無用を条件にね。
それでも信用ならないメンツだろ?
だから今日はゾル家総動員でいざって時に備えてるのさ。
それに値う以上の料金を払ってくれてるからね。」

それでか…。
昨晩本邸に行ったら親父は勿論の事、爺ちゃん曾爺ちゃんまで居て不思議に思ったんだけど、一応『仕事』なら合点がいった。
しかし、ゾル家全員を雇うって一体幾ら払ったんだよこいつ等。
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