長編小説 〜Prominenceシリーズ〜完結
□Embraceable You
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「…何の為にだ。ヒソカ。」
クラピカのこの厳しい表情、久しぶりに見た、そんな横顔も凛として綺麗だ…。って何考えてんだ俺はこんな時に。
キルアは慌ててヒソカに視線を移した。
ヒソカはクラピカを見ながら困った風に言った。
「いやぁ、ボクが、ここに居るクロロとずーっと戦いたがってるのは知ってるよねぇ
。
君の鎖があるとクロロが力出せないから、除念師探しにわざわざGIに入ったり、それなりに苦労して除念は出来たんだけどねぇ…![](/img/emoji/38.gif)
肝心のクロロが全く戦う気が無いんだよ。
旅団にも戻って来ないし…
」
「…そんな話と我々に一体何の関係がある?」
クラピカはクロロを睨み付けたまま言い放った。
部屋に入った時から、一瞬部屋をぐるりと見回した以外、この男はクラピカを見つめ続けていた。
そして今は何故か楽しそうな表情に見えて余計にクラピカを苛立たせた。
「分からない
。
ただ、クロロが君と会ったら戦っても良いかもって言うから連れてきたんだよ。
本当かどうかは分からないんだけどね
。」
クロロが少し微笑んだ気がした。
「サッパリ分かんねーな。
だったら、顔見たんだから帰ってくんない?
会えれば良かったんだろ?」
「ホント?それだけ?
話位してけば?」