長編小説 〜Prominenceシリーズ〜完結
□Embraceable You
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クラピカは目眩がしてきた。
何をほざいているのだ、この男は…。
さっきからクロロは喜々として話している。
「ふざけるな。
訳が分からない。
何故私が貴様と行動を共にしなきゃいけないのだ。
敵同士ではないか我々は!」
クラピカは目眩に加えて頭痛がするこめかみを押さえながら冷たく言い放った。
「…愛してるんだ。」
「!?」
「クラピカ、愛してる。
今日会ってハッキリ分かった。
本当だよ。」
これは悪夢か?
クラピカは言葉を失い、口を開けたまま眼を見開いていた。
この男は狂ってる。
何を突拍子の無い事を言っているのだ。
「たちの悪い冗談はよせ。
狙いはなんだ。」
クロロは言って聞かせる様な口振りで言った。
「だから、俺は君の事を愛してて、君と一緒に居たいんだ。
会いに来るのちょっと遅くなっちゃったけどね。
緋の眼、君が捕りに来ると思ってたんだけど、ツンツン頭のコが捕りに来たから君に会えなくて、あれからあちこち探したんだ。」
ゴンは緋の目を探し当てて、結局手に入れたのか?
彼は狙われている?
「それが罠か?」
「罠…。悲しい言い方だな、それ…。
君に会えると思っただけだよ。
確かにここに瞳が来たのは知ってるけど、彼をどうこうしようなんて考えもしなかったよ。」