長編小説 〜Prominenceシリーズ〜完結

□Embraceable You
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最近めっきり寒くなり山の頂上では雪が降る事もしばしばだった。
今日も朝から曇天で今にも雪が降って来そうな天気だった。

「昼過ぎに来るって?」

「あぁ。昨日お前の留守中にお前の兄から電話があったぞ。」

俺は暖炉の前でブランチの後の一杯である最近お気に入りのキリマンジャロを一口飲んだ。
やはりコーヒーは挽きたてに限る。
な〜んてクラピカの受け売り。
俺は昔からホント甘いの大好きで、そもそも炭酸飲料とかシェイクばっか飲んでたんだけど、クラピカが虫歯になるとか口うるさい(なんて本人には言ってないけど)から、イヤイヤクラピカの好みに合わせてコーヒーとか飲む様になった。
親父がワインに続きコーヒー通なんだなとクラピカから聞いて、あのインチキ野郎って思ってムキになって飲んでた。
始めはただただ苦くて、しょうがないから砂糖山盛り、牛乳ドバドバで飲んでたんだけど、クラピカに、

『それは最早コーヒーではないな。
それではコーヒーに失礼だ。
まぁ、子供なんだから無理するな。』

と意味深な笑顔で諭されて、余計ムキになって飲んだ。
そしたら、そのうち苦いのも平気になってきて、最近は結構香りが好きで飲んでる。
まだ砂糖とミルク入りだけどね。
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