その他武受けnovels

□ギフト
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気が付いてたら気になってたなんて気にくわな過ぎる




『ギフト』



男女ともに大差なく尊敬や好意の目を向けられてる
人物だと言うことは転入してものの数日で知った


最初はどうとも思ってなかったのにいつからかそれに苛立ちを感じ始めたのは
いつからだろう―・・。



脳が酸素を渇望し深いあくびがでるのを噛み殺しながら昼間の商店街を歩く
学校なんて自分はいかなくてもいいものだが、十代目がいらっしゃるのなら話は別

めんどくさいと思いながら一冊のノートと筆箱しか入っていない補助鞄を
肩で揺らし学校へと向かった


既に閉じられた門前にくると持ち前の身軽さで飛び越す
何事もなかったかのようにそのまま校舎へ向かう


「おー獄寺、重役出勤とは良い度胸してるなぁ」


(ちっ、めんどくせぇのにみつかっちまったぜ)


門の後ろで待機していたのは生活指導教師の熊山だ
その状況に不似合いな笑顔が不吉な予感がした




「だー!めんどくせぇ!こんなん別のやつにやらせろよ!」


そう悪態をつきながら腕一杯にあるのは前年や前期の生徒会資料
丁度昼休みだし、遅刻の罰として運べと言われたものだった


(あー十代目にあいてぇ・・)


そう外の渡り廊下を歩きながら空を見上げふと思う
十代目。と言葉ではいいつつ思い浮かんだのは


(っっ!てっ!何であの馬鹿のこと考えてんだ!)


一人悶々とツッコミをいれながら耳に神経を尖らせる

(人の・・声)


別に昼休みなのだから人の声がして当たり前だ。しかしその耳には聞き慣れた
が聞こえた。そう、さきほどから脳裏に浮かぶあいつ


とっさに近くの茂みに隠れてその姿を確認する
そのあいつ―山本は女生徒と話している様子だった


昼休み。校舎裏。2人きり


(告白か)


総合計算して出てくる結果はそれだ
そうと決まれば出刃亀をしないでここから立ち去りさっさと資料を運んで
十代目に会いに行こう―そう、思ってるのに


何故か足が動かない


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