SD小説集

□いじっぱりのボーダーライン
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※事後





いじっぱりのボーダーライン






倦怠感と疲労感で目を覚ませば真っ赤な髪が目に入る
少しでも体を動かせば下腹部にじくじくとした痛みが走るが不思議と嫌ではなかった


(子どもみたいに寝るんだな…)


自分の腕を僕の頭の下に滑り込ませて瞼を閉じてる姿に
昨晩の彼の面影は全くなくて、子犬みたいにあどけなかった
きっと女子が見たら卒倒ものだ


「…ん」
(あ、)


起きる。
零れるような輝きを放つ赤い目がじっとこちらを捉えると
ほっとしたような小さな笑みを放った


「おはよ、スガタ」
「狸寝入りごくろうだな」


真っ赤な髪に通していた手を下ろして形の良い鼻をぎゅっと摘むと
「むぎゅっ」とまぁ可愛らしい悲鳴が漏れた


「だってスガタが僕のこと見てるとこ何て珍しいしさ」
「だってとでもは男らしくないな」
「…スガタ冷たい」
「気のせいじゃないか」


気のせいじゃない。と上目遣いに睨まれれば(タクトは上目遣いも似合う)どうやら
本当に虐めすぎたのか機嫌を損なってしまった
仕方ない。昨晩でここ一年分の優しさを使い切ったのだから(ここは言葉として彼に伝えた)


「えー…」
「拗ねてないでさっさと風呂入るなり服着るなりしろ。ジャガー達が起きる」
「じゃぁスガタも一緒にはいろうよ」


出すの手伝うから、
べちん。


いい加減にしろ

さっきからお前が昨日出したものがじくじくと存在を主張してきて

動揺を悟られないとそっけなく対応してる気持ちくらい察しろ

死にたいのか、馬鹿。


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