SD小説集

□お互い様
2ページ/2ページ


「用事はすぐ終わったんだけど、あれ水着参加だったろ?」
「うん、見たかった」


水着参加と聞いて少なからずスガタの水着姿を楽しみにしていたのに
行けば彼の姿は一向に見つからなかったのにショックを受けて、その後友達や人妻さんや
ワコと会話をしたけど殆ど頭に入っていなかった申し訳ない


「嫌いなんだ。水着」
「えっなんで?」
「人に肌を見せるのが嫌いなんだ」


あー、と少し納得する
彼の肌は陶器のように白く絹のように滑らかできめ細かい
女の子達と比べても差は少ないとつくづく思う

本当に白い、白すぎる、一般の高校生男子にしては。


僕が納得した事に感づいたのか「分かっただろ」とスガタはため息を吐いた


「タクトが羨ましい」
「肌の色なんて人それぞれだよ」
「色は白いし、焼けば赤くなるし、筋肉はつきにくい」
「僕はそんなスガタも好きだけど」
「良いこと何てないぞ。変態には気持ち悪い目で見られるし、時々男子の息は荒い」
「ちょっと変態の所詳しく」


もしかしてぱっくり良いようにやられたってことはないよね!?
だけど小学生のスガタだったらそれはありえる!


「僕が変態よりも弱い訳ないだろ」
「だよね!」


よかったぁとほっと息をつく


「安心しろ、風呂まで一緒に入ったのはタクトだけだよ」
「本当っ!?」
「ただし女子は含まない」
「ジャガー先輩達が羨ましいっ!」
「普通逆だろ」


また笑う声が聞こえる、学校とは違い電話ではスガタはとても明るく笑う
だからいくら電話代がかかろうと毎日彼に電話することはかかせない


「ところで何でさっきあんなに笑ったのか教えてくれますか眠り姫」
「誰がだ。…一緒だったんだ」
「一緒?」


きょとんと意志が伝わってないことを示す
さっきからいじり過ぎていたシーツはくしゃくしゃになってしまった


「僕も、タクトと喋れなくてつまらなかった」


(う、うわ、うわあああああああああああああっっ)


詐欺だ!策士だ!もしもスガタがどこかのスパイだったら完全にやられた!
何でも話す!完全に白旗だ!

昂ぶる気持ちを抑える為に枕に頭を押しつけてあくまでも何も無い風に装い電話越しの彼に返答する


「スガタはずるいね」
「なにが」
「簡単に僕の心臓を弄ぶ」
「ああ、いいじゃないか、電話でくらい」


学校じゃ、僕の方が弄ばれてるんだから



あ、寝る時間だ。じゃぁな、おやすみ

おい?聞いてるのか?

ああうん、また明日



今日のお電話はこれで終わりです、ぷつん。




(明日早く来いっ)



君の顔が見たくて仕方ないっ!





end

前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ