SD小説集
□日
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「タクト君は、スガタ君のこと好き?」
「それは…」
「もし、タクト君がスガタ君を止めないなら、私が止める」
「ワコ…」
「タクト君なら、スガタ君を任せられるけど…っ全然知らない人にはあの人をあげられないよ…っ!」
目の前でそう言い放ったワコは僕より辛そうな顔をしていた
(何してんだよ、スガタ。)
スガタが一番しちゃいけなかったのはワコを悲しませることだろ
"チャンスは今しか無いんじゃない?"
彼女に言われた言葉が頭の中で反響する
「タクトく…」
「あーーーーーっ!!もう!本当っ何なんだよ!」
きつく拳を握る
喉の奥がひりひりする
だけど知ったもんかそんなの
「ワコ!今スガタがいる場所分かる!?」
「…っうん!病院行ってからお見合い行くって言ってたから多分今病院だよ!」
分かったと腰に巻いていたエプロンを取るとワコに渡す
「スガタ一発殴ってくる、じゃないと気が済まない。それにワコをここまで悲しませたんだからそれくらいしても良いよね」
笑って言うとワコは驚いた顔をして吹き出すように笑う
「お願いね、思いっきり」
「任しといて!」
踵を返すと病院に向かって走る
(ここまで勝手にしたんだ、スガタ)
僕もいい加減、勝手にしていいよね
言いたい事が山ほどあるんだ
***
ほぼ10分間全速力で走ってこの町で一番大きい病院につくと
丁度病院から出てくる見慣れた人物が目に入った