SD小説集
□日
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お付き合い1日目で早速スガタの機嫌を損ねた火曜日
僕も自分がどうしてこんなに腑に落ちないのか分からなくて戸惑って
翌日衝動に任せてスガタにぶつかっていった
強引だったけどスガタのことを知れたことが嬉しかった水曜日
「でも、その子はタクト君のこと好きなのよね」
「…うん。今は、分からないけど、」
自分がスガタのことを気にし始めたのは居眠りで見た夢のせいで
だとしたら彼が自分を気にし始めた理由はなんだったのか知りたくなった木曜日
それを教えてくれた金曜日
スガタの口から僕の名前が出るたびにどきどきして
その時にはもう、ある1つの感情が確実に芽生えていた
「その子が笑ってくれるとさ、すごく嬉しいんだ」
友達みたいに、恋人みたいに、一緒の時間を過ごした休日
「ずっと一緒にいたいって思う、けどそいついっつも予想外の事ばっかしてくるから」
彼が離れていった昨日
「焦って、戸惑ってたら置いてかれちゃった…」
はは、ほんと、むかつくよスガタのばかやろう
「だったら今度はタクト君がその子を翻弄させちゃえばいいじゃない」
「へ」
下がっていた頭を上げると、先程より生き生きとした彼女の顔があった
「まだ諦められないんだったら、走って追いかけるのがタクト君らしいと思うけどな」
「そ、れは」
「まぁ、色々事情もあるみたいだし決めるのはタクト君自身だと思うけれど。チャンスは今しか無いんじゃない?」
じゃぁ、注文お願いね。お腹空いちゃったの
と話は打ち切られ、ふと我に返った僕は急いで厨房に戻った
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