時番外

□時創り/独白
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私が再び目を開けた時にあったのは、涙を流して喜ぶ騎士たちの面々と…そして我が孫ゴドリックと彼のスリザリンの忌子(イミゴ)が闇に深く深く牙を突き刺し、闇の主を打ち滅ばしたという事実だった。

やりおった…。

笑みが漏れた。

あの崖の上での出来事。
闇の主と呼ぶべき存在との対面…その場に居た彼のスリザリン。
彼と目が合ったその瞬間、わしはこの命と引き換えに彼に居場所を与えた。
獅子の頭を討ち取り、闇の主に全幅の信頼を与えられた者としての居場所を。
闇の英雄の座を。

そして来るべき時、闇を切り裂く為に。



「怖ろしい事だな」

「どうしました?」

「いや…」



彼は間違いなく『死の呪文』を放った。
そしてわしはそれをまともに食らったのだ。
死してしかるべき命が生きつないでいる。

どんな方法かは分からぬが、わしはただスリザリンの底知れぬ力に笑みが漏れた。

怖ろしい男だ。
愚かな男だ。
その優しさが、情け深さが、多くのものに誤解を受けながらも…己が生き様を生き続ける男。


なぁゴドリック…お前の友は凄い男だな。

その様な友に出逢えたお前を羨ましいく思う。



良き友をもったな……ゴドリック。
[230.5]

ゴト祖父語り。
[2009.11.9]


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