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□優しい速度
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『優しい速度』
わたしはちょびっとのろまなの
その上ちょびっとおっちょこちょいなの
自分でも嫌になるくらい
わたしの速度の遅さには
周りの人達だけでなく
地球まで溜め息をついてるわ
遂には愛想を尽かされて
地球の回る速度にすら
振り落とされそうなわたしの手を
そっと握って引き寄せてくれた優しい腕は
抱き締めながら囁いてくれた
「君の速度はなんて優しく穏やかなんだろう」
「その姿こそが美しい」
だからわたしはちょびっとのろまでおっちょこちょいな自分が好きになったわ
あの人の言葉はわたしにとって
優しい速度
→後書き