short book

□2nd
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あなたに会いたくて
血に濡れたあなたが今どこにいるのか
その血があなたのものでは無いようにと

会いたい

繰り返し
思い浮かぶのはそんなことばかり



“私と任務どっちが大切?”

こんなことほんとは聞きたいわけじゃない。
困らせたくない。

嫌われたくないのに。


私だなんて自惚れちゃいない。
一番だなんて答え期待していない。



私を見つめる黒い瞳。

その瞳に映る私はなんて情けない顔をしているのだろう。


いつも余裕ぶって大人なふりをしているくせに
血に濡れて帰ってきたあなたを見た途端にその仮面なんか剥がれてしまった。


ねえ、幻滅した?
面倒だと思った?


もう、

必要ない?


くだらないことを天秤にかけて
答えなんて聞かなくてもわかるはずなのに。



あなたの黒い瞳がどう動くのか。
どんな表情をするのかとか。
傷つくのはわかっているはずなのに

どこかで期待している自分がいる


『任務・・・かな。』


すがりついた私は恐くて表情なんか見れなかった。
これ以上傷つきたくない。


『でも、その次は君。』


思わず見上げた表情は
黒い瞳が優しく私を見ていて。


思わず泣きたくなった。


『帰ろうか。ボクの帰る場所は君だから。』



“ありがとう”



震える声で伝えた言葉は
あなたに届いただろうか・・・
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