○ライヤ×レオンシリーズ○

□★Rain
1ページ/20ページ

――――それはまるで彼の心を映す鏡の様に、空へ重く張り付いていた。



今にも降り出しそうな重たい雲が、空を黒く厚く覆っている。

車から出て、無気力に自宅へ向かう男が一人。

光を宿さない瞳は黒い雲を見詰め、ひたりと歩みを留めた。

何て事をしたのだろう。

後悔も懺悔も、もう何もかもが遅い気がしていた。

自分の生きる理由を自ら捨てた愚か者は、またのろのろと歩みを進め帰路につく。

なんて重たい空。
それはまるで、自分を苛む心の闇の様だった。




【Rain】
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ