○ライヤ×レオンシリーズ○
□★Rain
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――――それはまるで彼の心を映す鏡の様に、空へ重く張り付いていた。
今にも降り出しそうな重たい雲が、空を黒く厚く覆っている。
車から出て、無気力に自宅へ向かう男が一人。
光を宿さない瞳は黒い雲を見詰め、ひたりと歩みを留めた。
何て事をしたのだろう。
後悔も懺悔も、もう何もかもが遅い気がしていた。
自分の生きる理由を自ら捨てた愚か者は、またのろのろと歩みを進め帰路につく。
なんて重たい空。
それはまるで、自分を苛む心の闇の様だった。
【Rain】