復活

□romanzetto
2ページ/3ページ

「やっぱりリングをなくしたいと思う。」
そうボンゴレ10代目になったツナこと沢田綱吉が守護者全員を招集して言った台詞に守護者の間からはどよめきが起こった。
獄寺などはあからさまに異を唱えている。
ボンゴレリングにはそれ自体がとても貴重なものだと聞いてはいたから勿体ない事を言っているのかもしれない。
騒ぐ獄寺とは対照的に俺はツナがボンゴレリングを破棄したがっていたのは前から知っていたからそう驚くこともなくツナの言葉を聞くことが出来た。
ただボンゴレリングには思い入れがあるので棄ててしまうことに少しばかり惜しいと思った。
多分リングの持ち主は各々に多少なりともボンゴレリングに思い入れがあると思うが、俺のはまた別の意味での思いだった。
「せっかく貰った物なのにな。」
キラリと光るアンティークのリングを見て言う。
ボンゴレのエンブレムの下に雨の一滴をあしらったリング。
正確には譲渡された物ではないが出会いであり繋がりの具象したものはこのリングだけだった。
記念のもの出会ったきっかけそして思い出の全てがこの小さな指輪にあると思うとやはり破棄してしまうことが惜しく思える。だからといってあからさまに異を唱えるつもりもなかった。
「俺はツナがそーしたいんなら、いいぜ。」
笑う。
綱吉は反対ばかりの意見の中で俺が頷いた事にほっとしたように息を吐いて微笑んだ。
どうしても、形にこだわらなくてはならない訳ではないから。
物にこだわっているようではまだまだ彼には追い付けない。
大きな課題を残しながらもボンゴレリングは破棄されることがまず守護者の中で確認された。本部や組織には後に公表することとし集合は解かれた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ