キャラ達の呟き短編集
□蜻蛉ー閃飛燕
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いつごろからでしょうか?
私が寝ている間、ずっと何かの気配を感じるのですよ
人 の気配?というには些か疑問ではありますが。
ソレ は何するわけでもなくじっと部屋に居るだけで特別如何こと言う事はありませんでしたので、
私はずっと見て見ぬ振り、感じない振りをして過ごして来た。
或る夜
ソレは、何時ものようにそっと部屋の中で佇んで居たが、
ふわりと浮かび上がり私の方に近寄ってきた。
私は其の気配を感じ、目を醒ましたが、瞼を閉じたまま其の気配をじっと感じ取っていた。
「・・・さ。。。ま・・」
?
「・・・・さま・・・」
陸遜の頭の中で、何かの声がしている。
「はくげん。。。さま。。」
陸遜の名を呼んでいる声がする。
確かに陸遜の名を呼んでいる声が聞えている。
が、実際に耳で聞えている訳ではなさそうである。
意を決し今夜こそは、ソレ が何者なのかを突き止めてみましょう と。。。。
そっと瞼を開き、気配のする方向に視線を向ける。
『あっ。。。』視線の先には淡く光る小さな光の玉の様なモノが浮かんでいる。
『なんでしょう。。。あれは。。。』
陸遜はそっと起き上がり寝台に座り込み、その光の玉を見詰めていた。
「。。。。はくげん・・・さま。。」 また声が聞える。
『誰です? 私の名を呼ぶのは。。。』
その小さな淡い光の玉は、ふわりと浮かび陸遜の前まで来たのである。
「・・・あなたは、だれですか?」
「・・・はくげんさま。。」
無意識に陸遜は掌を差し出すと、彼の掌の上に載った。
「暖かいですね^^。」
「。。。はくげんさま。。」
陸遜はにっこり光に微笑んでそっと掌を顔の方に近づけた。
陸遜は尋ねる事を止め、その光をじっと見詰めていた。
暫くして、其の光は、、すぅっと浮かび上がり部屋の或る方向にまっすぐ向かった。
「閃飛燕」、、、其の先にあるのは陸遜の愛剣が置いてある。
「おまえ。。。は 閃飛燕の?」
小さな淡い光は。。すぅっと双剣「閃飛燕」の中に消えて行ったのである。
陸遜は双剣を取り、鞘から剣を抜き柔らかい笑顔で刃を見詰めた。
「お前だったんですね、毎夜私の横に居たのは。」