過去作品

□第二次兎詩集
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柩の中




丘の上にそびえ立つ城に住む
王と女王は悩む
世間には言えない秘密があるから

お金の為に働いている
手伝い達は知っている
王子ネビテウスは一人部屋に閉じ籠もり
秘密に満ちた行動をしている事に

部屋にはビロードで包まれた
柩が無限に置かれ
中では目を閉じて時を止めて
存在している女が生きて
王子ネビテウスは一人部屋に引き籠もり苦悩する
この世で一番純白なる者を求めながら
世界中に手を伝って集めている
柩の中で生きている女に惚れぼれしながら
もっと最高な者を求めんとする

王子ネビテウスはネクロフィリア
完璧な女を求めている
柩の中の女たちは永遠の花
朽ちること知らずに咲き続ける

どんなに王子ネビテウスが歳をとろうとも
花は可憐に咲き続け
枯れる事を知らないだろう

そんな王子ネビテウスを子供に持ったことに
嫌悪感を抱いている
王と女王はある日決意する
そんなに柩の中の女達が恋しいならば
親の手で王子ネビテウスを殺してしまおう
新しい柩を用意して
王子ネビテウスを住ませることに

王子ネビテウスが柩達に囲まれて
眠りに堕ちたとき
王子ネビテウスは王と女王によって用意された
柩の中に入っていて

夜が明けても目覚める事を知らずに
柩の中で存在している
それを知るは手伝い達
陰で口をひそめては
約束を交わして

“今夜王子ネビテウスのもとに行ってみよう
彼も憧れの永遠の花の
仲間入りになっただろうから”
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