ソラの奇跡たち

□第2話 崩れ行くもの
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 チヒラ達がモルゲンレーテ≠ノてザフト軍の襲撃を知った、その同時刻。ハクラ・アズカーレフはヘリオポリス≠フ市街地を走っていた。

 市街地は突然始まったザフト軍の襲撃にパニックに陥り、退避シェルターへ逃げる住民達でごった返していた。ハクラはその人波に逆らうようにして、ある場所を目指す。

 そうしてたどり着いたのは、病院だった。そこもまた、避難しようとする患者達と、それを誘導する医師や看護師達でごった返していた。

 その中に、ハクラは探していた人物達の姿を見つける。それは短くした黒に近い灰色の髪に青色の瞳を持つ青年──カオナ・アズリースと、長い黒髪を下ろした灰色の瞳を持つ少女──リーナ・アズレストだった。

 二人は恋人同士であり、ハクラとチヒラの幼なじみであった。

「リーナ! カオナ!」
「ハクラ!」
「良かった、無事だったのね!」
「あぁ、そっちも大丈夫みたいだな。」
「ここはモルゲンレーテ≠ゥら遠いからね。パニックは広がってるけど、今のところ被害はないし。」
「ところで、チヒラは?」
「あいつは今……あそこだ。」

 そう言ってハクラが指差したのは、モルゲンレーテ>氛沍サ在ザフトが攻撃している場所だった。

「なっ……モルゲンレーテ!? 何であそこに!? 今日は午後から課題を片付けるけど、そのあとは何もないって言ってたじゃないか!!」
「例の『おつかい』だよ。それでカトウ教授のラボに行ってる。俺はこれからチヒラの所に行く。二人はシェルターに……」
「私も行かせて。チヒラのことが心配だもの。」
「僕も同じく。それにこういう時だからこそ、みんな一緒にいるべきだと思う。今までだってずっと、4人で立ち向かって乗り越えたんだから。」
「……わかったよ。じゃあ行くぞ、チヒラの所に!」

 こうして3人は、モルゲンレーテ>氛沐囈ュと銃撃が絶え間なく続く場所へと向かって行くのだった。



◇◆◇◆◇◆



「ザフトに攻撃されてる! コロニー内にモビルスーツが入って来てるんだよ!」

 一方モルゲンレーテ≠ノいるチヒラ達は、職員が伝えたことに衝撃を受けて、その場に立ちすくんでいた。まだよく事態が飲み込めてないのだ。

 しかしいち早く状況を飲み込んだチヒラが、促すように叫ぶ。


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