満月の間

□solitude
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君は無事帰れたのですね。

僕は君の挫けない強さが。前向きな姿勢が。僕の“ほんとう”に気づいてくれた君の心。すべてを愛していました。

しかし、これから戦が始まるのです。そう“兄弟の争い”が・・・

鎌倉殿は君を利用しようとするでしょう。

君の命を守るためにも安全な、世界に帰ってほしい。



『君は恨むかもしれないですね。』

弁慶の心の中のように晴れ渡った空に手を伸ばす。


こんなに空が綺麗だったなんて・・・知らなかったな。


届かないなんて分かってる。それでも、言えなかった。伝えたかった。一言をつぶやいた……。


君の傍にいたかった。君を事を愛しています。

一粒零れた雫を拭って歩き出す。

もう後戻りなんて許されない。

                 (終)
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