満月の間

□心はいつも貴女の傍に
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「頭領。早く戻ってあげてくださいよ。」

先程から珍しく落ち着きのないヒノエに部下から声が掛けられる。

「そうか?…悪いな。後は任せたぜ。」

部下の言葉に明るく答え、ヒノエが走っていった。

「本当に頭領は奥方が好きだよな…」一人が呟くと応じる声があがる。

「おしどり以上に仲が良いからな…」既に見えなくなった頭領を思い浮べながらしみじみと思っていた。





「…似合うね。なかなか綺麗だよ。」

「えっ?…ヒノエくん?」確かに聞こえたはずだ。いや、聞き間違いなんてありえない。

「それもいいね。」

声のするほうに歩いていけば、呉服屋の前に彼はいた。

「ヒノエ……っ」
声を掛けようとして、彼が一人じゃないことに気が付く。

隣にいたのは、自分と同じくらいの背丈の女性だった
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