Dream story

□The other self
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困惑と驚愕の声を洩らし、表情を歪めるサガ達。
狂神はサガの腕から抜け出ると、纏っていた襤褸布を掴み脱ぎ捨てた。
サガ達は襤褸布を脱ぎ捨て、現れた狂神の姿に息を呑む。

躰を束縛する拘束具、視力を奪う仮面、会話を制約する轡……

体つきで辛うじて少女と判るが、有りと有らゆる手段方法で小宇宙を封じ、呪縛されたその姿は異様にして威容……

(そうまでしないと、抑えられない……抑えきれない程の小宇宙を…この少女は持っているのか……?)
思い思いにサガ達が考えていると、少女――狂神が鴉の口で言葉を紡ぎ出す。
<行かないの?先、急いでるんでしょ?……デスマスクとアフロディーテの事は歩きながらでも走りながらでも良いよ?>
鴉の口で言葉を紡ぐ狂神に先を促され、サガ達は歩み出す。
躰を束縛されながら、狂神はサガ達と並び歩み、問い掛ける。
<それで?デスマスクとアフロディーテは?>
「……ムウの技"スターライトエクスティンクション"によって戻された……」
前を見据えた儘でカミュが答える。
<そう…死の国に逆戻り…か……>
カミュの言葉に「そうか」と、何度も頷き、何かを考える素振りを見せる狂神。
ただ、それっきり、サガ達と狂神は言葉を交わさなかった。



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