bird's-eye view

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私はたった今、初めて『運命』という言葉を信じた。

だって、これを運命と呼ばずに何と呼べばいい?



「あっさり見つけちゃったよ・・・漫画みたいなタイミングだな〜」



朝に出会ったあの少年は、今は中庭でお昼寝中だ。
あの学ラン、あの黒髪、あの整った顔はまさしく彼本人だろう。

寝顔がとびっきり可愛らしい。


――が、私は今2階の廊下の窓から見下ろしているので、はっきりとは見えない。



(えっと。下に降りよう。・・・でも、階段どっちだったっけ?)



フラフラと行き先も考えずに歩いていたので、間抜けなことに自分が歩いてきた方向を忘れてしまった。
左右を確認してみたが、――すぐに面倒になる。
授業中なので人は居ない。
だったら飛び降りても問題は無いだろう。

もう一度左右を確認した。人がいないかどうか、をだ。

そして誰も居ないことを確認してから、素早く窓を開け、するりと窓の外へ滑り出した。


心地よい落下速度に身を任せて。
ばねと常人離れした脚力を利用して無事に着地する。


「っしゃあ!!ナイス着地だ宇藤!天才じゃん宇藤!!抱き締めてキスしちゃうわ宇藤様!!」


「君うるさいんだけど」


「あ、ヤッベ」


馬鹿だ宇藤様。
着地地点のすぐ近くに黒髪の美少年が寝ていたにも関わらず、大声で自分を大絶賛してしまった。
言っていたことが丸々聞こえていたからか、すごく不審そうな目で私を見る、彼。
むくりと起き上がると大きな欠伸をひとつした。

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