∬月の嵐∬

□出逢い
1ページ/4ページ

6年振りに偶然遭った緋紗子さんとおいら達そして子供達3人は、何時も(あの頃も)利用しているカフェの奥で向かい合った。



智:「……元気だったの?今も富山に住んでるの?」



「……ええ。あなた達の活躍ぶりは何時もTVや雑誌で見てたよ。」



相:「何も言わず、消えちゃうなんて……どれだけ連絡しても携帯もメールも繋がらないし……グスッ


「ごめんね?あの後直ぐ、ケー番もアドレスも換えちゃったから…」



智:「あれから…って、綾香ちゃんと翔君、別れて…」



相:「あれって…翔ちゃんから話持ち出したんだよね?綾香ちゃん、暫く翔ちゃんに着き纏ってたもんね。でも、何で?何で、翔ちゃんと綾香ちゃん別れたの?」



「それは……」



緋紗子さんと初めて出逢ったのは、おいら達“嵐”が今よりもずっと休みが取りやすかった八年前のGW─────



あの頃、まだこんな状態になるとは夢にも誰も想像しなかった。












『翔〜っ、早く〜!!緋紗子姉達、到着しちゃう!!』



到着ロビーを走る綾香



翔:「綾香っ、待てって!!まだ、時間あるだろ!何、慌ててるんだよ。落ち着けって…」



と、その時



綾香ちゃん



可愛らしい男の子が綾香の元へ駈けてきた。



『キャ〜ッ、隆志〜っ!! 大っきくなったね〜♪で、ママは?』



男の子を抱き締め、問い掛ける。



『ママは…あ、ママ〜、綾香ちゃん、こっち〜


男の子の視線の先には、小さな女の子を抱いた女性がいた。



翔君が綾香ちゃんと緋紗子さんを迎えに行ってる頃、おいら達は映画の撮影現場にいた。



相:「あれ?翔ちゃんは?」


智:「遅れて来るって」



相:「?」



二:「あなた、昨日翔君が言ってた事ちゃんと聴いてなかったでしょ」



相:「何を?」



松:「綾香ちゃんの従姉を迎えに行くから少し遅れるって」



相:「へぇ…」



『スタンバイお願いします』





『緋紗子姉、紹介するね。友人の櫻井 翔君』



翔:「…友人?はじめまして、櫻井 翔です」



『本当に友人なの?恋人の間違いじゃ無いの?(クスクス)はじめまして、綾香がお世話になってます。従姉の澤渡 緋紗子です。息子の隆志と娘の唯。ところで、我が儘言って困らせてません?」


緋紗子の微笑みに魅せられた。



翔:「…いえ」



『なぁに、翔。緋紗子姉に見惚れちゃって…』



翔:「ばっ…っと、行かないと。ごめん、綾香」


『あ、うん。今日はありがとう…お仕事頑張ってね 』



翔が慌ただしく綾香の部屋を出て行った後、綾香二人はお互いに近況を語り合った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ