◆鋼◆

□連鎖A
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空が少し赤く染まってきたころ、エドワードが駅に走って行くとそこには荷物を持った弟がベンチに腰掛けていた。


「アル!!悪い、遅くなって!」
「ううん。僕ならかまわないよ。それより兄さん、もう大丈夫なの?」
「平気、平気!たくっ、みんな大袈裟なんだよな〜。」
「どうだか。兄さんすぐ無理するから」
「そんなことねぇよ!あっ、汽車が来たぜ。とっとと行こう!!」

エドワードが歩き出したのにアルフォンスは動こうとせず、エドワードは首を傾げた。

「アル…?」
「兄さん…僕に何か隠し事してない?」
「ないけど。何で?」
「ううん、なんとなく…。ごめんね、変なこと聞いて。あのさ、もう数日滞在延長できないかな?」
「は…?」

途端にエドワードの声が不機嫌なものになった。それでも兄が心配だったアルフォンスはかまわず話し続ける。

「こっちに来てから兄さん毎日夜出かけてて帰って来ないし、ちゃんと休まないと体壊しちゃ…」
「オレはここにいたくないんだよ!!!」
「…兄さん?」


何かに怯えるように叫んだエドワードは弟の声で我に返り、自分の失態を必死に取り繕うとした。


「っ…ほら!早く元の体に戻らなきゃだろ!!あっ、荷物オレが持つよ!!次の町には良い情報があるといいなー」
「待ってよ兄さ〜ん!」


アルフォンスは明らかに兄の態度がおかしいと思ったが、それ以上聞くことはしなかった。
無理に触れたら兄が傷ついてしまうような気がしたから。










「そうか、分かった。また何かあったら伝えてくれ。」
「大佐、今の電話…」

ロイのデスク横で書類整理をしていたリザが手を止めて尋ねた。

「ああ、アルフォンスからだ。やはりアレの様子がおかしいらしい。こっちで何かなかったか尋ねてきたのだが…」
「心配ですね。エドワード君の性格では何かあっても私たちに相談してくれそうにありませんから」
「本当にな。あんな小さな体で全て抱えこもうとするから、いつか潰れてしまわないかと心配だよ。」

ロイがわざとらしくため息をつくとリザが苦笑した。

「今の発言をエドワード君が聞いたら怒りますよ。」
「だろうな。いちいち反応するからついからかいたくなる…」





弟の前でさえ虚勢を張って
君が本当に安らげる場所はどこにもないのか
鋼の
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