たまわりもの。

□甘えられる場所/柊様
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「だ〜いじょうぶですよお〜」

アリエッタとの対決の後……落ち着くために一度休息を取ろうと提案したがアニスによって却下された。
しかし、明らかに空元気なアニスを見、満場一致でケテルブルクにて休息を取る事になった。

「大丈夫なのに〜ぶ〜ぶ〜早くしないと総長が〜」

腰に手を当て、頬を膨らませるアニスに「まあまあ、俺たちも疲れてるからさ」と苦笑いでアニスをなだめ、ティアからそれぞれの鍵を受け取った。

ジェイドはじっとアニスを見つめふぅと小さく溜息をついて昇降機に乗り込んだ。

それぞれが部屋へと入って行き、右隣をちらりとみるとアニスは「じゃ!!おっやすみなさ〜い」と右隣のガイに手を振っていた

そして小さく溜息をつくと扉を開け、ふと視線を感じアニスはジェイドを見上げた。

「なんですかぁ?大佐、私の事見つめちゃって。あ、可愛いアニスちゃんに惚れちゃいました?な〜んて。じゃ、おやすみなさ〜い」

パタンと音を立て部屋に入っていくアニスを見送りやれやれ、と呟きジェイドも部屋へ入っていった。




数時間後、分厚い本から疲れた目を離しメガネを押し上げると時計を見上げた。
時刻は深夜でそろそろみなも寝静まった頃だ。

ふと部屋に入る前の溜息をつき目線を落とす少女の顔が思い浮かんだ。

窓の外を見ると公園の淡いライトに照らされ雪がきらきらと舞っていた。

公園の真ん中に立ち空を見上げる見慣れた小さな背中が瞳に映り目を微かに大きく開くとジェイドは扉へと向かった。


「イオン様……アリエッタ…ごめっ……なさっ……」

手をぎゅっと握り締め俯くと急に影ができた

「……アニス、風邪を引きますよ……」

「……なん…ですか〜大佐?こんな時間にお出かけですかあ?」

「アニス…今は泣いてもいいのですよ。」

アニスを後から抱きしめアニスの顎に手をかけ顔を上げさせた

「なっ……な〜にいってるんですか?私は泣かないですよお〜もう。」

ジェイドの腕を解こうと体をよじるもその力に叶わず白い息を弾ませ顔を逸らした。

「大佐!!放して……でないと……」

「今は私しかいません、甘えなさいと言っているのです」

アニスを抱く力を強め少し屈むとアニスを寒さから守るように包んだ
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