たまわりもの。

□ルークの日記。/月影来夢様
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ここは雪が降り積もる街、ケテルブルク。
ジェイドの故郷だ。
彼はこことグランコクマに来たときだけ、一人だけ姿を消す。
それについては、何も聞かないということが暗黙の了解になっていた。
そう、ただ一人を除いては。

「ねぇ、いつも大佐がなにしてるかって気にならない?」

「そうかい?旦那っていつもあんな感じだったじゃないか」

「もぅ、ガイってばわかってな〜い!!ここはケテルブルクなんだよ?いけないとわかっていながら、実の妹と甘美で危険な恋、な〜んてあったらおもしろいじゃん♪」

ちなみにアニスはグランコクマでも追跡調査を行ったらしい。
その時はアニスが知りたがっていたような秘密という秘密は掴めなかったそうだが。

「俺は興味あるな。前々から気になってたし」

「ル、ルーク、あのジェイドを敵に回すなんて勇気がおありですわね…」

「へ?敵?!そんなつもりは……」

「いや、自分のプライベートを知られたら旦那はきっと…」

「脅かすなよ、ガイ…やっぱやめようかな…」

「ルーク〜♪」

アニスが手招きをしている。
近寄った自分にしか聞こえない声で、

「今更逃げるんじゃねぇよコラ…!!」

「Σ…!!わ、わかったよ」

「きゃわ〜ん、さすがルーク♪」

得体の知れない恐怖に襲われる。
断ればもう二度と太陽が拝めない身体になってしまいそうだった。

でも、今考えれば、その決断がすべての過ちだったんだ…。
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