たまわりもの。
□―with me.―/霜庵よもぎ様
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「それがティアなら尚更」
「ひゃっ…」
ぎゅっ、と頼りがいのある腕が私を包む。
あなたの体温が、心地よい。
「ありがとな…ティア」
「ルーク…」
…馬鹿。
お礼を言いたいのはこちらの方だと言うのに。
「こんな俺でも…また、見守ってくれるかな…?」
「……えぇ」
そんなの、言う迄も無いじゃない。
「……ねぇ、ルーク…」
「ん?」
「…置いて、いかないでね……」
見守っているだけでは、ずぅっと前まで歩いていってしまうから…
「………当たり前だろっ」
一瞬、その顔が焔色の髪と同じくらいに紅くなり。
強く、力を込められた腕に苦しいわ、と苦笑する。
うぅ、と唸ったかと思えば耳元で。
「一緒じゃないと、困るんだ」
なんてあなたが言うものだから。
「………っ!」
私の顔まで、あなたと同じ焔を燈した。
これから先も、その先も。
私の居場所はあなたの隣。
一緒に歩いて行きましょう。
その手を繋いで、あなたと共に……。
END.