たまわりもの。
□甘えられる場所/柊様
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「今は…気にせず私に抱かれ、存分に泣きなさい。」
「……っつ……ひっく……わああああああ……」
声を上げて顔をしわくちゃにして泣きだしたアニスは年相応でジェイドはにっこりと笑みを浮かべ向き合うようにし抱きしめるとアニスはジェイドの腰に手を回した
「甘えたい時は私の元に来ればいいのですよ……あなたはまだ子供です……大人の私に頼ったっていいではありませんか……」
そのままアニスを抱きあげ暖かいホテルへと向かうとしゃくりを上げていたアニスはジェイドの首に腕を回していた。
部屋の前に着きアニスを降ろすとアニスは俯いたまま立ち尽くした。
「アニス、もう一人で大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ〜」
一度扉に手をかけるもすぐジェイドを何か言いたげに見上げた。
「どうしたのですか?」
「……」
黙ったままじっと見つめあう。
ジェイドが深く溜息をつき腕を組んだ
「アニ〜ス?」
アニスは腕を伸ばしジェイドの軍服の端をぎゅっと握り、また何かいいたげに見つめた。
アニスの頭にぽんと手を乗せジェイドは目を細め優しく微笑む。
「アニスの口は素直じゃないですねえ?」
アニスを抱き上げ部屋の扉を開けると中へ入り、ベッドへ座らせた
そしてブーツとグローブをはずさせ髪のリボンを解くと寝かしつけた。
「あなたが眠るまでここにいてあげますから。安心して眠りなさい。オヤスミ……アニス。」
ジェイドの優しい声に次第に瞼が下りていった。
ジェイドの大きな手をしっかりと掴んだまま………。
END