Silver Sorcerer

□真実
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ルディーンで行うべきことは終わった。
次は三人目のガーディアンと合流すべく、いざサウジグ。

アシェリーとソイルはというと、ルディーンで新たな傭兵を雇い、イヴン達とはここで別れるつもりだったのだが…シャールの助言により、今後もイヴン達についていったほうが何かわかるかもしれないと言われ、二人の目的地『呪術師キリト』のいる街サウジグまでは着いていくことが決まった。

ルディーンを発つ朝、ミレトスの母親は息子を送り出しながら泣いていた。
母一人、子一人…大事な息子と離れるのが寂しいのは理解できる。ましてや危険な旅であるから尚更だ。
ミレトスは、毎日手紙を書く事を母親と約束すると旅に出た。

雪大国と言われるイースティックは、さすがに雪がやまない。
つもった雪は深いため、隊員たちが先頭に立って雪をかきわけて進んでいく。
そして、イースティック生まれのミレトスはずかずかと進んでいくが、ノーザン組は多少寒さにやられて遅れ気味であった。
遅れるメンバーに明るく声をかけては、時々手を貸してくれるミレトスは場を明るくし、今日から旅に参加したとは思えないほど皆と溶け込んでいた。
しかも、ミレトスがいることでイヴンが明るくなって饒舌になっている。
二人の会話は、結構くだらないことなのだが、一度始まれば誰かが止めるまで終わることはない。
仕舞には、ちょっと列を離れて二人して競って走りだしたりするから驚きものだ。あの、規律を乱さないイヴンが!
全ては、ミレトスが冗談を言ったり、イヴンに面白半分で競争を持ちかけるのが原因ではあるのだが、イヴンも楽しんでいるし、二人とも悪魔の襲撃があればすぐに反応して片づけてくれるので文句を言う者はいない。
旅の雰囲気は、ノーザンを旅していた時よりかなり良好である。

ルディーンを出立してから三日過ぎた頃には、ミレトスとアシェリーが仲良くなってきゃーきゃー女言葉を使ったりして、ある提案を打ち出した。
堅苦しいことはやめにして、メンバー全員呼び捨て!
これには、テオティがいち早く賛成を示した。呼び捨てなんて、父親にしかされたことがなく、友達同士の証であるかんじがして嬉しかったのである。
イヴン一人は、姫を呼び捨てすることを渋ったが、本人がはしゃいでいるので、少しずつ呼び捨てで名前を呼ぶようになった。
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