君がいるだけで(Main)

□心の鏡
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昨日。
井上を抱きしめた後。


部活で残ってたたつきに井上を任せて、
俺は学校を後にした。
・・・・適当に言い訳して。




今、校門の前。


「はぁ・・・。」


ため息が出る。
だって昨日・・・・・俺。
サイアクなことしなかったか?
てか、
どんな顔して井上に会えばいいんだ?
恥ずかしすぎる・・・・・・。

だからって行かない訳にもいかないし・・・・。


重い足をなんとか動かして教室に向かう。
その途中の出来事だった。



〜〜心の鏡〜〜




階段を登って左折した廊下の窓の外。
いつも井上やたつきが昼飯を食ってる木の下辺り。



あの栗色の髪は、
間違いなく井上。
そして井上を囲むように女子が4人。


・・・・・・どう見ても穏やかな空気じゃねぇ。



雰囲気からすると、
井上が女子に囲まれていじめられてるって感じだ。


そう言えばたつきに聞いた事がある。
井上、
中学の時はいじめられてたって・・・・。
ここからじゃ遠くてわかねぇ事の方が多いけど。
かといって今から下に向かう間にいなくなっちまう可能性もある。


ただ、
井上はああ見えて空手も得意だ。
されるがままになるとも思えない。

俺はこのまま、
少し様子を見ることにした。
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