君がいるだけで(Main)

□迷い道
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体育祭から2日が過ぎた。
今日は振り替え休日。


昨日は体育祭の片付けを全校生徒でやり、
今日1が日完全休み。



俺の初の委員の仕事は、
昨日を持ってようやく終わった・・・。




・・・・もう2度と勘弁。
マジで疲れた。






部屋の窓から見上げる空は・・青い。
髪を梳く風も柔らかく、
温かな春を感じさせる。


妹達は学校だし、
オヤジは仕事。
コンに至ってはどこにいるかもわからねえ。


要するに俺はと言うと、


「・・・やる事ねえな・・・・。」


暇を持て余していた。





〜〜〜迷い道〜〜〜





昨日の片付けは、
明暗がはっきりしていた。
体育会系とそうじゃない組。


俺、チャド、たつき、国枝・・・普段から身体を動かしてる奴と、
啓吾、水色、小川とか・・・何にもしてない奴。


「身体が動かねぇよぉ〜!俺はこのまま童貞で死ぬんだぁ〜〜!!」


阿呆な事ぬかしてたのは勿論啓吾だ。
でもその阿呆に突っ込みも出来ずに青い顔をしていたのが水色。


「ボクは運動はまるっきりだめなんだよ・・・。」


軋む身体を引きずりながら、
なんとか掃除に参加してたな。


小川は・・・ひとことも話さなかったっけ。
筋肉痛がひどいのか、
たまに“うぅっ”ってうめき声が聞こえてた。



以外だったのは石田と井上。
2人とも文化部の割には“けろっ”としてた。


石田はひょろっこく見えても、
流石滅却師ってとこか。


「筋肉痛?僕が?そんなもの縁が無いね。」


可愛いげ無く言い放ちやがった。
毎度毎度眼鏡をカチャつかせて。


井上は・・・。


「ふぇ?・・・う〜ん・・・・・大丈夫みたい。痛くないよ。」


・・・だそうで。


エヘッっと笑った井上に対して、


“こんなトロそうなのに・・・”


と言うクラスの心の声が聞こえた気がしたけど、
まぁ本人呆け顔だったからほって置く。


まぁ・・・かく言う俺も以外だと思ったんだけどな。



とにもかくにも今日は休み。
筋肉痛組は今頃家でくたばってんだろうから、
啓吾も水色も動けないだろう。
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