夜明けに抱かれて(LOVE)

□蛍の光
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遊子と花梨が教えてくれた川辺。

うっそうと茂る森林の奥に、
儚げな光を放つ蛍がいるそうで。

井上に見せてやりたくて誘った深夜。

風呂上りの井上の髪は、その光を受けて艶やかに光沢を帯びている。
洗いたての髪を結い上げたうなじに思わず目が行ってしまう。

「……きれい………。」

そうつぶやいた井上の瞳も光が溢れていて…。
俺には井上の方がよほど綺麗に見え…。

……俺の理性は、その色香に敵う事はなく…。


「っ!!くっ黒崎くん!?…んんっ…ふぁっっ。」

後ろから羽交い絞めにしたあと、そのうなじにきつく唇をあてがう。

静かな木々の空気に、俺の吸い上げる音が大きく響く。

いつもなら気にならないこんな音すらが刺激になるほど、今ここは静寂に包まれている。

そして、あまりに響く音に、井上は急いで自分の口を両手で塞ぐ。

「…誰も来ない…出せよ…声。」

耳元でそう囁くだけで、面白いくらい反応する身体。

「聞きたい…井上の…声。聞かせてくれ。」

そう言うと、俺は片手でボタンを外しながら、もう片方の腕を下に伸ばしていき、服の上から敏感なソコを刺激した。

「……やっ…だっめぇ…恥ずかしいよぉ。」

井上の必死の言葉すら、今の俺には届かない。

今日の俺は井上の言うことを聞いていられるほどの余裕がない。

口を隠していた手を木に当てさせ、後ろから俺が攻める。
井上の胸は、今この手に納まっていて、風呂上りの熱を敏感に感じる事ができた。

照明は蛍の光。
いつもの蛍光灯とは違った自然の照明。

井上の背中が蛍の光で明るくなり、そしてすぐに暗くなる。
それの繰り返しで、見えるようで見えないのがまたそそる。

「やめない、井上……。俺は今井上が欲しい…。」

…真夜中…外…蛍の光…。

空からは月が、こんな行為をしている俺たちを見ている。

結い上げている髪を見れば、七色に輝く、かんざしに似た髪留め。

(……まるで着物の人間を犯してる気分だ…。)

自分の中にある欲望、男としての発情。
しかも犯す相手が他ならぬ井上なら、この手を止めることなどできるわけがない。

服の上からの刺激をやめ、太腿の裾からするりと指を滑り込ませる。
風呂から上がって間もないその素肌は、少し湿っているように思えた。

もう片方の指で胸の突起を優しく擦ると、

「…うっ…くぅっ…。」

我慢しきれずに漏れる、苦しげな井上の声。
5感全てが俺の欲望を駆り立てる。
耳で井上を聞き、目で犯す。石鹸の香りが鼻孔をくすぐり、舌で味わう。

そして何よりも指先で感じる、井上の弾力のある肌。
下着の上からでもわかるほど、井上のソコは濡れている。

「…外だから?…いつもより濡れるの早い…。」
「…ふっぅ…い…じわるっ…。」

下着の下は、もうだいぶ濡れそぼっている。
その秘部に指が抵抗なく2本3本と咥えられ、
その度に井上が鳴く。

……たまらない快感。

蛍は…そんな俺達を照らし出しながら飛び回る。

卑猥な濡れた音が響き、

「はん…っあんっ…くろっ…さきくぅんっっ。」

井上の喘ぎ俺自身を駆り立てる。


「…入れるぞ……。」
「ひゃぁんっっ。」


ちらり・・・ひらり・・・。
光が散る。

濡れた行為を仄かに照らす蛍・・・。




 

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