君がいるだけで(Main)
□7センチの距離
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うおぉぉぉぉぉ・・・ん
けたたましい虚の叫びが木霊した深夜23時。
「ふっざけんなっっ。」
俺の声も木霊した(いや、一般市民には聞こえないけど)。
「マジでなんなんだよ、最近の虚の多さはっ!!ソウルソサエティから来てる車谷はどうしてんだよっ!!!」
そう・・・結局月曜日の夜も、
俺はまともに古典の復習もできないまま、
虚に呼び出されていた・・・・・。
伝令神機(見た目ただのケータイ)に呼び出されたのは21時46分。
勉強を始めて1時間と少しが経過した頃。
ようやくコンのいびきの音にも慣れ、
遊子と夏梨も寝たのか、
隣の部屋も静かになり(ま、小学生だし)。
集中し始めた頃だったのに・・・・・・。
(これじゃ本気でまともな点数取れねぇぜ)
心の内でぼやいていた時の事だった。
俺の背後でいきなり膨らむ霊圧。
その気配を俺は知っていて・・・。
「孤天斬盾!!私は拒絶する!!!!」
光の速さで飛んできたソレが、
一体の虚を切り裂いた。
俺は刀を構えたままで、
椿鬼が飛んできた方向に目をやると・・・・。
「井上・・・・・・・。」
そこにはまぎれもなく井上の姿があった。
「オマエ、こんな時間になんでこんな所に?」
「ノートの買い足しとお夜食のお菓子を買いに、コンビニへ・・・。」
えへへ・・・と頭を掻くその仕草が、また一段と・・・。
わ・・・俺、ヤバイ奴みたいになってるし。