LOVE

□『二人きりになりたいから・・・』
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二人きりになりたいから・・・



今日は11月22日。いい夫婦の日と言われるこの日は・・・・俺の誕生日でもあり、俺と光の結婚記念日でもある。今年の11月22日は結婚後初めての結婚記念日。一日中二人きりで、ゆっくりと愛を語り合って絆を深めたいと思っていたのですが・・・・・
世の中・・・・というより、光に関してだけは、上手くいかないもので・・・・・





11月22日は、年に一度だけの特別な日。光からプレゼントと共に眩しい笑顔で『おめでとう』の言葉を言ってもらえる日。
俺にとって、最も幸せな日。
今年からは、結婚記念日も加わって二重の喜びに浸れる日。
年に一度しかないこの日を、出来ることなら貴女と二人きりで愛を確かめながら静かに過ごしたかったのですが・・・・

「今年は竜の別荘でパーティー♪さすが、動物好きな竜の別荘は自然が溢れてる。早速、裏山を探険だ〜!!」
「おら〜、宙!!お待ちなさい!!」

―――あちらでは、宙と明が追い掛けっこをして騒がしいですし・・・・

「はい、純クン。これ美味しいわよ♪あ〜ん。」
「うん、これ美味しいね。はい、桜もあ〜ん。」

―――こちらでは、桜と純がバカップルモード全開でイチャついていますし・・・・

・・・・・・・・。
―――テラスでは、芽と八尋が何だかいい感じですし・・・・

「フィンは、動物に囲まれた暮らしを・・・どう思う?ココまで、動物が多いとヤッパリ嫌か?」
「お、俺は、動物が好きだから、この別荘好きだぞ。」

―――竜とフィンは仲良く話し込んでますし・・・・

「光お姉ちゃん、この前は学園祭を見に来てくれてありがとう。楽しかった?」
「おう、相変わらず黒泉学園の学園祭は面白くて、楽しかったぞ。招待状を送ってくれて、ありがとうな。」
「光、来年は白選館の学園祭に来いよな!!お前、卒業生なんだから。」
「おう、翠が考える出し物は面白そうだし、必ず見に行くから招待状を送ってくれよな。」

―――肝心な光は、何故か付いて来た翠と千歳に独占されていますし・・・・
    俺の隣には、誰が呼んだのか・・・凪が居座ってますし・・・


俺は光が隣で祝ってくれるだけで幸せなのに・・・・何故に毎年毎年、俺の誕生日だけ、誰かの別荘でパーティーをする事になるのでしょうか?
祭り好きな光がパーティーをしたいと言うから、敢えて夫婦になった今年もこうしてパーティーを黙認したのですが、全く光と話せないのは・・・・夫婦としてありえませんよね?
何か手を打たないと・・・・









「みんな、寝たようですね。」
「おう、そうだな。」

パーティーがお開きとなり、各々の寝室へと帰ったのは午前1時を過ぎた頃でした。
誰も居なくなったパーティーホールのソファに並んで座り、喧騒の余韻に浸る。漸く光と二人きりになれた事に、安堵感と幸せが込み上げてくる。隣に座る光を抱き寄せて、寝室へと誘う甘い言葉を囁きたいところですが・・・その前に、今日のパーティーのお礼をしなくてはんりませんよね?


「ねぇ、光?」
「何だ?」
「今度から、互いの誕生日は二人きりで旅行をしませんか?」

―――ささやかな、お礼を受け取って下さい。

「旅行?」
「ええ、俺の誕生日は光が決めた国へ、光の誕生日は俺が決めた国へ旅行するんです。そして、毎年クリスマスにどちらがセレクトした国の旅行が楽しかったか勝負するんです。ね、面白そうでしょう?」
「確かに、面白そうな勝負だな。」
「そうそう、勝負をフェアでなければ楽しくないですよね?なので、二人きりでで旅行しましょう。他の方々が一緒だと心行くまで勝負が出来ませんから♪」

―――お礼は、光の大好きな勝負ですから、受け取り拒否はしませんよね?

「そうだな。じゃあ、来年の私の誕生日から勝負だな!!今度こそ、お前に勝ってやるからな!!」
「ほう、それはそれは楽しみですね。」

パーティーのお礼は喜んで貰えたようですね。これで、来年の結婚記念日と誕生日は、誰にも邪魔をされずに二人きりで過ごせます。要やく安心できました。
これで心置きなく今年のプレゼントを光から頂けます。 
え?光からのプレゼントの中身は何かって?それは教えられませんよ。夫婦だけの秘密です。


end

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