甘やかな妄想。
□恋のおはなし。
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恋のおはなし。
片方だけ閉じられたその瞳が良い。
私の欲望を静かに煽ってくれる。
私の行為を揶揄するかのようなその唇が良い。
私の理性を奪うのは何時もその唇。
「好きにさせていただきます」
なんて言ったものの、私にできることなど、この程度。
それさえも、貴方の真似事なのだから。
主導権は何時だって貴方のもの。
私は貴方の所有物なのでしょう?
それに甘んじているのは、貴方のことが好きで好きで、狂ってしまいそうなほど好きで。
こんなこと口にしたら、きっと貴方は笑うだろうから。
今は震える唇を、笑っていて。
「たまには主導権譲ってやろうかの」
これは虚勢。主導権など、これっぽっちも所有していない。
何時だって、お前が俺の意思を溶かしてしまうから。
お前はとても鈍感で、俺の気持ちなど理解していないから、気付いていないだろうけど。
無意識。
だからこそ、性質が悪い。
何故片方の瞳を閉じたのか分からないだろう?
両目だと、潰れてしまうからだよ。
愛しいという想いの重さで。
どうか、震える瞼を笑わないで。
(元ネタ ポリクローム様。/82?/ラブラブ/
より)
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